難しいが読みやすい。
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化石になってしまった初期人類、文字のない時代に生きた人々の病気については、遺された骨から探索する方法がある。「古病理学」という方法である。ただし、「プロローグ」に書かれている通り、「骨そのものに病巣を残さない病気にはまったくお手上げである」というのも事実だろう。
ここのところ、古代や歴史時代に生きた人々の病についていろいろと知りたく思っていて、そんな時に出版されたこの本をすぐに購入した。内容紹介にある通り、実際の事例を挙げながらの病(特に結核、梅毒、腫瘍、その他伝染病など)や怪我の痕跡についての記述は大変詳しい。図や写真があるのもうれしい。ただ、医学的知識の乏しい自分にはかなり理解が難しい点もあったのは事実だ。そんな時に役立ったのが、巻末に付録として載っている骨についての詳しい説明及び、疾病カテゴリー一覧表だった。