第Ⅰ巻では語形変化しない静かな文によりラテン語の基礎を学んだ。第Ⅱ巻ではラテン語の中核をなす語形変化を学び、第Ⅰ巻の基本構文を使ってその練習を行なう。一般には形態論と呼ばれている分野への入門にあたるものである。ラテン語では語形変化が文の構造を決定するためこの語形変化の学習がもっとも重要になる。

現代は言語活動が大きく変化している時代である。その形がはっきり見えてくるのはまだ先のことであるが少なくともラテン語のような古語がより身近になることが期待できる。本書では語形変化は符号化法であるという考え方を取り入れている。19世紀に書かれた Allen & Greenough の形態論に基づくものであるが、これは今の時代を超越するような先進性を秘めている。