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【トスカーナ州と中部2州】
広がる小麦畑、糸杉の並木、城郭都市。どこを訪れても美しいトスカーナ州。小さな町や村が、数世紀前の繁栄の姿をとどめて旅人たちを迎え入れる。
ウンブリアは、この国の真ん中に位置する緑豊かな州。外国人大学で知られる州都ペルージャ、聖フランチェスコの町アッシジ、ドゥオーモの美しいオルヴィエートなどがありエトルリアの遺跡や中世の町並みがよく残っている。
マルケ州はルネッサンス期に洗練された宮廷感覚でヨーロッパ中に名をはせた。ラファエッロ誕生の地でもある。

【カンパニア州と南部3州】
ナポリ湾を囲む肥沃な土地は、麻、たばこやオリーブ、ブドウの畑が広がる。ヴェスーヴィオがそびえ、麓にポンペイの遺跡が広がる風景は、古代への夢をかきたてる。青の洞窟で有名なカプリ島やソレントの美しさ。強烈な太陽と澄んだ海が、旅人を迎えてくれる。内陸部に一歩踏み込むと、大地は乾燥し、赤茶けた山には牛や羊を連れた牧人たちと姿は一変する。

【シチリア州】
長靴に蹴飛ばされ爪先に浮かぶシチリア島。エトナ山を最高峰として、山がちで土地は痩せている。冬でも温暖なため柑橘類の栽培などのほか漁業も盛ん。地中海の要衝であるため、さまざまな民族の支配を受けてきたこの島には、ギリシア、ローマ、ビザンチン、アラブ、ノルマン、ドイツ、フランス、スペインなどの影響が色濃い遺跡や、珍しい風習が今も残る。アグリジェントのギリシア神殿、アラブ・ノルマンの教会が残るパレルモなどをまず訪れたい。また魚介類を使った珍しいシチリア料理も楽しみだ。

【サルデーニャ州】
この州は4つの地域に分けられる。カンピダノ平野のある南西部は温和で、麦や野菜、オリーブの取れる富裕な地。ヌーオロを中心とした内陸部は“陰の国”と呼ばれ羊の放牧で生計を立てる人が多い。ヌラーゲという名の砦が残っている。島の北部一帯は世界にも名立たる一大リゾート地だ。西海岸のサッサリやアルゲーロには、海を隔てて一番近い国スペインの影響が残りカタルーニャ風のゴシック建築がありスペインの言葉を話す人々が住む。