著者の商売根性には感心します
★★☆☆☆
ほかのレビューにも書かれていますがエッセイですね。
この題名はちょっといかがなものかと思います。
結局、今後は産業医としても稼ぎたい。ほかの精神科医と違って
忠実な企業のイヌになりますよ!だから産業医としてオファー
ください!ということを本でアピールって、すごい商売根性が
たくましいかたなんだな・・・となんだか読んでいて複雑な
気持ちになりました。
ときには、さぼって歩いてたっていいのです。
★★★★★
成果主義や、最近の自己責任という、人間関係が希薄で、結果だけ
を重んじる社会を生き延びるための、新しい処世術が、「悪いのは
私じゃない」という症候群になっているという話しです。
もちろんその処世術と言っても、それを貫いた結果、すばらしい人
生があるわけでなく、得をする人はだれもいないという結論なので
すが。
精神科の香山さんの診察室の中には、常軌を逸したツワモノたちが、
いろいろと来院するようです。各章に登場する患者の方々の様子を
読むと、香山さん自身が、世の不条理を感じてしまうのではないか
と、とても心配になります。
そのなかで、最近の傾向として、「悪いのは私じゃない症候群」の
方が増えているというのです。これは、子どもの「いじめられない
ために、いじめる側に廻る」といったことや、「勉強しろというか
ら、勉強をやる気なくした」という、他責や他罰的な発想を、社会
人であるオトナが行っているのです。
精神的に、成長が遅れてるともいえますが、個人尊重を優先しすぎ、
また物質的に飽和状態になった社会だからこそ、恵まれすぎた社会
のゆがみのような気がします。
そのうえ、かつて向こう三軒両隣とか、町内会とか、国とか頼れる
ものが崩壊し、信頼できるものではなくなり、また個人主義ゆえ、
家族の絆まで揺るいでしまった社会の結果、ともいえるのではない
かと思います。
最近は、香山さんは、勝間さんとの論争でよくマスコミに出てきま
すが、たしかに勝間さんの上昇思考、プラス思考は、自分が五体満
足で、心身ともの健康であってこそ成り立つ理屈であって、そのな
かの何か1つでも、欠けてしまえば、苦しいだけのレースになり、
自ら社会の脱落者となってしまうような気がします。
まずは、「自己責任」という他者を批判する見地でなく、他者と比
較して、あるいは相手をおもんぱかってという、過去の日本的情緒
ではなく、自分の人生は、自分で向き合うという姿勢を持てば、悪
者探しに、躍起になっている場合ではないと気がつくはずです。
そして何を隠そう、自分のことは、一生懸命やっているか、さぼっ
ているか、実は、自分が一番わかっていたりするものです。
それに、ときには、さぼって歩いてたっていいのです。
社会が病んでいる現代
★★★★☆
「ネットという他罰メディア」の章に「他人にだけ道徳的な人たち」 という言葉が出てきますが、本当にこの言葉の当て嵌まる人が多い
自分の事は棚に上げ、他人を責める事で「悪いのは自分ではない」という状況を先に作ってしまう
生きにくい世の中になったなぁと改めて思わずにいられません
本の内容は全て頷けるものでしたが、そんな世の中になってしまった現代を憂う後味が残ります
もっと具体的な解決策も同様に記述されていればこんなに落ち込む事もなかったかなと
ただ御本人もまさにこの病かもしれない とあとがきされているので問題を提起しただけでも立派ですね
「分かち合うこと」
「悪いのは私じゃない」と言わない勇気
書かれているようにとりあえずはこういう事から実践でしょうか
個人的には「与える事で感じる幸せが本物なのだ」 という信念を強くしたいと再認識できました
わかりやすい内容
★★★★☆
終わりの方まで、読みすすめて行くほど、「他罰的」とはどんなことかについて、より詳しく説明されていて、大変わかりやすかった。著者の、医師としてのエピソードなどもあちこちで触れられていて、医療界の現実や、また、大学の先生としての、エピソードも大変興味深い。題材に取り上げられている内容も、実にタイムリーなので(これは、いつも思うことなのだが)軽い感じで、サラッと読めるところが良いと思う。最近「しがみつかない生き方」も読んだが、本書も、色々参考になることが多かったと思う。
症例収集だけでなく、エピローグの処方箋の内容をもっと充実させて欲しかった。
★★★☆☆
タイトルを、流行(はやり)の「○○症候群」とした安直感は否めないが、内容が想像出来るだけに思わず手にとってしまった。
昨今の風潮を「悪いのは私じゃない症候群」として、その症例を、体系的に収集した点は敬意を払いたい。
その本質を『他罰主義』と分析・要約するのも構わない。
しかし、「新型うつ」(非定型うつのこと)に関して元精神科医とも在ろう御仁が、『他罰の巣窟』として症候群の症例に入れてしまうのは如何なものかと思う。
いずれにしても本書の大部分は症例集であり、エピローグになってようやく『処方箋』なるものが出てくるが、内容が貧弱すぎる。分析が足りないし、元精神科医であれば読者を唸らせる様な『処方箋』を提示して欲しかった。物足りなさが残ってしまう、後味の悪さだ。
ファンシー
★★★★☆
終わりの方まで、読みすすめて行くほど、「他罰的」とはどんなことかについて、より詳しく説明されていて、大変わかりやすかった。著者の、医師としてのエピソードなどもあちこちで触れられていて、医療界の現実や、また、大学の先生としての、エピソードも大変興味深い。題材に取り上げられている内容も、実にタイムリーなので(これは、いつも思うことなのだが)軽い感じで、サラッと読めるところが良いと思う。最近「しがみつかない生き方」も読んだが、本書も、色々参考になることが多かったと思う。
ベストセラーズ
★★★☆☆
本書は、新型うつ病、モンスターペイシェント、アダチル、パワハラ、スピリチュアル・ブーム等々、医学・心理・社会・政治の多角的側面から、悪の原因特定に見られる、「悪いのは私じゃない」という他罰的傾向の淵源に迫る。