様々なモティーフの絡め方が巧みな二作目
★★★★★
いじめをテーマとした短編集の二作目。
家族の絆やシンナー中毒を絡めたり、
いじめられていた子の復讐とそこからの立ち直りを描いたり、
一作目も傑作だったが更に深みと複雑さが増していて読み応え満点。
三作目を先に読んでしまったが、全く見劣りしない面白さ。
特に光るのは、いじめられていた復讐に歪んだ生きがいを見出していた少女が
母親との絆を取り戻したことをきっかけに立ち直るエピソード。
少女の気持ちも母親の気持ちも暖かく描き出しているところに好感が持てるし、
「今でもときどき怖くなる あのとき自分のおろかさに気づかなかったら」
のくだりにははっとさせられる。
ちょっとしたミステリー仕立ての作品も興味深い。画力は一作目から一貫して高い。
いい年した中年男が人前で読んでも恥ずかしくない少女漫画
(恥ずかしくないのは私だけ!?)。