東大卒の主夫が子育てしながらたどり着いた究極の健康法「自由体操」を、厚労省やＷＨＯ（世界保健機関）の取り組みに照らし、ときに理屈っぽく、ときにユーモアを交えて、わかりやすく説明します。
近頃「座っている時間が長いと早死にする」というデータが公表され注目を浴びました。
「じっとしていない」は世界一かんたんな健康長寿の秘訣です。　
「やり方」なんて気にしない。回数、秒数、角度･･･そんなのどうでもいいんです。
大切なのは「どうやるか」ではなく、「やるかどうか」です。
いつでも、どこでも、どんなふうにでも、体のどこでも、少しでも、自由に動かす。それが「自由体操」です。
それだけで必ず運動不足は解消できます。
「運動を始める」のはそれからでも遅くはありません。

【本書「はじめに」より抜粋】
私は、誰もがもっと元気になって健康寿命をもっと延ばして欲しい、という目的を持って本書を記しました。私の母は８４歳でまだまだ元気ですが、１０年前に私がこの「２つだけの心がけ」に気づいていたら今ごろ母はきっともっともっともっと元気でいただろうと思われ、それが悔やまれます。
　やってみればわかりますが、「２つだけの心がけ」を心がけると必然的に「ダイエット」や「細マッチョ」の効果が得られてしまいます。しかし、それは「おまけ」です。（でも、おまけがあるととてもうれしいですね）「２つだけの心がけ」の主な効果は「運動不足から生じるだるさの解消」と「凝りの解消」です。そして、その目的は「もっと元気になる」です。２つだけを心がければ必ず今よりもっと元気になります。
「Ａをすると、Ｂに変わる」
私たちの周りにはそうなることがたくさんあります。勉強すると、賢くなる。 練習すると、上手になる。恋をすると、美しくなる。では、これはどうでしょう？
「Ａをすると、必ずＢに変わる」
「必ず」となると、先ほどの例は当てはまりそうにありません。私たちの周りには「必ず」そうなることはそう多くはありません。
　しかし、人の体には「必ず」があります。それを証明しているが、あの「ライザップ」です。「ライザップ」の指導は単純です。食事制限と筋トレです。「ライザップ」に行かなくても、「ライザップ」と同じことをすれば、「ライザップ」のような肉体に「必ず」変わります。「ライザップ」が他のスポーツジムと異なるのは、指導法ではなくブランド力です。「エルメスのケリーバッグ」とコンビニ袋のちがいです。「物を入れて運ぶ」だけなら、どちらでも同じことができます。ポルシェでも徒歩でも、「１キロメートル移動する」だけなら、同じことができます。もちろん、ポルシェなら１５秒くらいしかかからず、徒歩だと１５分くらいかかります。でも、速ければいい、とは限りません。ゆっくり時間をかけた方がいいこともあります。歩いていたら美しい景色や素敵な人にめぐり会うかもしれません。急いでいなければ、そっちの方がいいはずです。健康にもいいし、なによりお金が一円もかかりません。
　肉体改造やダイエットも同じです。
　どうしても２ヶ月でナイスバディになる必要があり、お金に余裕があるなら、「ライザップ」に入会するのもいいでしょう。しかし、時間に余裕があるのなら、同じ肉体改造がもっと健康的にできます。「継続は力なり」と言いますが、なにごとも続けるのは大変です。「続けよう」と思った時点でもう続けるのが難しくなります。
　ところが、なんと「２つだけの心がけ」なら「続けよう」は不要です。お金も不要とまでは言えませんが、考えようによっては得さえもします。「２つだけの心がけ」で健康になると体がよく動くようになります。すると、いままで無駄にしていた時間が有効に使えるようになります。すると、人生の豊かさが増します。２０２０年には東京にオリンピック・パラリンピックが帰ってきます。本書を手にしたことをきっかけに、オリンピックの楽しみ方も大きく変わるでしょう。

本書は「筋トレの教科書」ではありません。
本書は、わずかな心がけがどれほど人生をリアルに豊かにさせてくれるか、それを知るきっかけです。