その心意気をかって…
★★★★★
意欲的な試み、だと思います。
完全書きおろしの漫画が100ページ超あり、さらに書きおろしの小説も。三宅乱丈のファンとして買ったのですが、原作を知らない自分にも充分に楽しめました。
漫画内に出てくるキャラクターのダメさ加減が、とても現代的で切実。
阿部和重の小説も含めて、それほど取っつきやすい作品ではないでしょうが、漫画と小説というそれぞれにジャンルとして確立したものの枠を揺らす、ということで、この試みは賞賛したいです。最近どうも小説も漫画も硬直化していると思う私としては、あえてこのチャレンジに満点を。
値段が少し高いと感じるかもしれませんが、すべて書きおろしですから、雑誌掲載時の原稿料もないわけで、書き手のことを考えると適正ではないでしょうか。