著者自身アメリカに長く滞在した自身の経験から、温かい目で感動と共感を持って、これらの文学と付き合っています。
私も欧米長期滞在経験があり、社会的マイノリティの自分という存在について深く悩んだ経験がありますが、悩みながらも白人の物まねしか眼中に無い日本人がまだまだ多い中、この著者の力みの無いフラットな視点は、次世代地球規模コミュニケーションのあり方を提示してくれています。
文章レベルは高く平易ではないものの、コヨーテのごとく足取り軽快な文章が気持ちよいです。この軽さは、やはりアメリカ黒人としてそのアイデンティティを文学にしてきた、アリス・ウォーカーを思わせます。