原文で読みたかった
★★★★☆
この本は、秋山真之「日本海海戦誌」(『中央公論』昭和19年5月号掲載)と、
秋山真之会編『提督秋山真之』岩波書店 昭和9年を改訂、再編集したものである。
本書のほとんどは、『提督秋山真之』からなっている。
編集部注によると、原文そのままではなく、割愛、現代文への書き直し、表現の書きかえをしたとある。
なぜ、原文のまま掲載しないのだろう。
歴史に関心のある人間が、昭和の文章ですら、やさしく書きかえてもらわないと読めないのだろうか。
とくに「日本海海戦誌」はそれほど長くもなく、秋山真之の自著なので、原文で掲載してほしかった。
歴史的な文書を、現代人が商売のために勝手に書きかえるのはいかがなものか。