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煙滅 (フィクションの楽しみ)

価格: ¥3,360
カテゴリ: 単行本
ブランド: 水声社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 出版社名:水声社 シリーズ名:フィクションの楽しみ 発行年月:2010年01月 関連キーワード:エンメツ フイクシヨン ノ タノシミ えんめつ ふいくしよん の たのしみ、 スイセイシヤ 3777 すいせいしや 3777、 スイセイシヤ 3777 すいせいしや 3777 “い”段がない!?失踪した男と失踪した“文字”をめぐる、前代未聞のミステリー。
お見事! ★★★★☆
面白いかと聞かれると、正直微妙なんだけど、凄いかと聞かれれば、凄いですよ。よく訳したよなぁ。

原著はフランス語で最頻度の「E」を使わずに書かれている。では、日本語版はどうしているかというと、い段、つまり「い・き・し・ち・に・ひ・み・ゐ・り」が一切使われていない。また、字が消滅したという本質を残すため、原著とは章立てや数字、引用文、登場人物の名前など、改変は多岐にわたる。ここまで来ると、別物とは言わないまでも、翻訳ではなく翻訳者の言語遊戯。まぁ、お見事。
そんなわけで、苦労がにじみ出ている訳者の解説が一番面白い(笑)。解説を読んでから、あちこちに仕掛けられた「遊び」を解くのも楽しい。
ただ、日本語はひらがな、カタカナ、漢字があり、特に漢字は音は間違ってても、形に意味を持たせられるから、多少有利な気がするけど、どうなんでしょ?
肝心(?)のストーリーはメタフィクションなんだけど、どうしても「文字抜き」の話題に目がいく上に、かなりなんだそりゃなだったものの、解説によると、ホロコーストを暗示しているらしく、次々と登場人物が消えていく展開と、語るべく言葉も奪われるという構成に納得。
装丁も凝ってるし、奇書としてもオススメ。

次に読む本に「い段」が入ってる時になって困るという弊害が(笑)