愛と憎しみ
★★★☆☆
心理描写が巧みであると言われているとおり情景描写は必要以上になく
秀明と「フクロウ」の視点で話が進み、二人の考えていることが丁寧に描かれていて、
二人の人物像がリアルに伝わってきました。
「フクロウ」について推理しながら私は読んでいたのですが、
正体はなんとなく序盤から予想がついてしまうかも…しれません。
でも、どうやって秀明のことを四六時中見つめたり怪奇現象を起こせるのかが
なかなかわからず、一体どう収拾つけるんだろう、とラストが近づくにつれ
期待が高まりました。
そして迎えたラスト…
私は結構びっくりしました。
こうなっちゃったか!!みたいな。
とりあえず個人的には樋口くんが哀れでなりません…。
これもまた恋愛の側面
★★★★☆
「狐が憑く」「霊媒師」などなど一歩間違えるとキワモノ系にいってしまいそうな題材を見事に切なく迫力のある作品にしあげている。
確かにここまで想いがつのっていけばこのような現象も巻き起こしてしまうのかもしれない、とさえ思ってしまった。
「あなた」を見つめている主からの視点と主人公秀明からの視点の切り替えがとてもうまくさすがだと思いました。
こわい
★★★★☆
後半に行くまでは、「フクロウ」の秀明に対する強すぎる愛が怖くて、感情移入するどころじゃなかったけど・・・
ラストがどうなるのか気になったので最後まで読みました。悲しい結末でした。
私が本を読んで泣いたのはこれが初めてです。
ひとがひとを想うということの強さ・悲しさ・恐ろしさを思い知らされた作品でした。
実らない想いが溢れすぎているからこの世はこんなにも悲しいんだと思わされました。
切ない、、、
★★★★★
しょうもないってことじゃなくて、ほんとうにどうしようもない話、どうしようもないこと。
どれだけ想っていても、想うだけじゃ伝わらない。
この小説の基本的なメッセージみたいなのはそれだと思う。
個人的に乃南小説の中でも面白いしオススメできるものだと思う。ホントに切ない話。