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武田三代 (文春文庫)

価格: ¥520
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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武田家とそれを取り巻く人々の物語 ★★★★★
武田家の興亡と時流に翻弄される人間の心理を巧みに表現した短編集です。
目次は以下の通り。

「信虎の最期」
「異説 晴信初陣記」
「消えた伊勢物語」
「まぼろしの軍師」
「孤高の武人」
「火術師」
「武田金山秘史」

本書は新田氏が別著『武田信玄』で魅せた緻密な史料考察はそのままに情感溢れる外伝作品に仕上げられています。また短編ということもあってか、より大胆な筆致で物語が展開されています。

個人的に新田氏の作品の特徴として挙げられるのが「読者に対する配慮」だと考えています。他の作家が作品中で歴史考察を挿入するのに対し、新田氏は各章毎の終盤に自身の考察・史料の引用部分を載せるという構成を採っています。
読者の中にはそのような手法で興が削がれる方もいらっしゃるとは思うのですが、私のように「史実との線引き」に対して少なからず配慮を求めてしまう読者には助かる仕様です。
『武田信玄』を既読の方もそうでない方も、またあまり歴史が得意でない方も楽しめる文学作品になっています。
まぼろしの軍師 ★★★★★
小説<武田信玄>では書かれなかった
信虎、信玄、勝頼の武田三代に渡る興亡史。
短編集。

戦国の世を生きる武将はどこまでも非情でなければならない。
その信念に従って生きた信虎とその最期を描いた
<信虎の最期>
人は生きてきたようにしか死んでいけないのです。

武田の滅亡と黒川金山の埋蔵金の行方を描いた
<武田金山秘史>
武田御一門衆の誉れ高き穴山梅雪の、主家に抱いた葛藤と
その末路が描かれています。
その他数編。

中でも秀逸な作品が<まぼろしの軍師>でした。
山城国妙心寺の僧鉄以と、鉄以のもとを訪れた
隻眼の老人。
旅に疲れ衰弱しきった老人は鉄以に、
鉄以の父である山本勘助の、
武田軍師としての働きを
声を限りに語ります。
命の余燼を山本勘助の物語につぎ込み
崩れるように眠りに落ちた老人は、
朝を迎えても再び目を覚ますことはありませんでした。
父である山本勘助の真実の姿を知りたい。
その想いで鉄以は甲州各地を巡り歩き、
見聞したことを甲陽軍談としてまとめました。
<まぼろしの軍師>
後の軍学の基となった甲陽軍談が
誰のために書かれたものであるか、
その答えがわかる一編であると思います。
入門用に最適 ★★★★★
武田信玄及びその周辺の人々が
どのような歴史を経ていたのか、を知ろうとするとき、
武田信玄(全四巻)などは初心者には重過ぎます。
この短編集で雰囲気を感じ取って興味を持ったら
大作にも素直に入っていくことができるでしょう。
大好きな作品集です。ボロボロになるまで読みました。
武田家に触れる一冊 ★★★☆☆
武田三代とは、信虎,信玄,勝頼の三代を指す。
武田家といえば、甲斐の国を中心に、諸国を支配した戦国の雄である。
そんな武田三代が歩んだ道を…
・ 駿河に追放された信虎
・ 武田家を最も繁栄させた信玄
・ 長篠の戦で大敗を喫して、武田家を衰退,滅亡させた勝頼
…というような物語として読むことができるのが本書である。また、現在でも時折話題になる武田家が隠したとされる埋蔵金にまつわる話も書かれている。著者は新田次郎で、昨今話題の藤原正彦の父である。
武田家の歴史に触れるには悪くない一冊ではあるが、約250ページの本書で武田家の歴史を語りつくすのは当然無理がある。武田家の歴史を知りたいのならば、もう少し詳細な本が必要である。