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既にそこにあるもの (ちくま文庫)

価格: ¥1,470
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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■圧倒的なアート、バランス感覚のとれた文章。ウマイ!おももしろい。おかわり! ★★★★★
■この人は、文章もウマくて、おもしろい。
■直島銭湯に行った。
大竹さんのこの銭湯は、「公衆浴場」ならぬ「公衆欲情」で、
多くの発情アート、発情装置に彩られている。
■脱衣場の「海女のブルーフィルム」、浴槽の「春画コラージュ」、
正面の銭湯画は、まさに、海女が命綱を切って大ダコに向かっていく「戦闘画」である。
どんないやらしい展開が待ち受けているのやら。
■天井画も、卵子に向かう、怒涛の精子が、
崇高な宗教画のように、大日の透過光を利用して描かれているし、
カランも、発情のエッセンスで一つ一つが宝石のようだ。
「押」「押」「押」もう、こんなことしていいのか。と思える、最高傑作である。
■その後、さらに「家プロジェクト」の「はいしゃ」を見た後、自宅に戻り、この「全景」を見返した。
4年前の東京での全景がフラッシュバックした。会場のへっぽこな楽器音まで聞こえてきた。
■この作家は、全景を踏み台にして、新たな時空を超えるPOPに向かっている。そう思う。
それは、日本美術の閉鎖空間を離陸して、俯瞰して、愛のある絨毯爆撃を繰り広げつつ、
やがて、新たなワールド=人類最後の遊び場を作ってくれるのだと思う。
■日本全国、市町村は、大竹さんに税金をあずけて、銭湯を作ったらいい。
グローバル経済はどうなるか知らないが、各地に「大竹銭湯」ができれば、
ココロの景気はよくなるはずだ。
そこで交わされる談義は、国会答弁よりも国造りに有益だろう。
■「ハブリック・アート」というコンセプトが、大竹さんによって具現化されようとは、
家プロジェクトのOS上とはいえ、そこに乗っても大いに暴れ続けられる
大竹アプリケーションの秀逸さ、過剰さは、この「全景」カタログを見れば、即座にわかる。
■「全景」展で示された大竹さんの北海道の牧場の牛臭さが、この銭湯にも感じられて、
コーヒー牛乳を飲みながら、なぜか涙が出てきた。
大竹さんなら、この焼け野原日本が闇市から復興する「方法」を、おもしろく示してくれるように思う。
福武さんが大事にされた大竹さんを、家プロジェクトのスキームに乗せて、こんなにコンセプチュアルに
離陸させたキュレーターの業績にも感謝します。続編の「全景リターン」、待ってマース。
現代アートのもっとも素朴な形 ★★★★☆
大竹伸郎の作品には新しさが無い?ポップ、ネオ・ダダ、ジャンクの複合に過ぎない?ではききたいがポストモダニズム以降どこの誰が全く新しい流派を編み出したというのであろうか?バーバラ・クルーガーだって、リチャード・プリンスだって、はたまたリヒターやポルケだって促成の概念の複合じゃないか...。村上隆や会田誠は革命的といえるほど斬新なのかい?

現代アートのポップ路線をアニメや漫画といった類でなく応用したら、行きつく先はこの大竹伸郎的な世界観である。さらに彼はセンスがいい、言い換えればウマイ。近代・現代アートの視覚効果エッセンスを感覚的にシッカリおさえ、なおかつ自分らしく彼らしく日本らしく現代らしく再構成してる。このバランス感覚が確実にセンスなのだ。

たしかに彼は圧倒的な存在ではないが、むしろポルケやキッペンバーガーのように実にテクニカルに素朴に美しく現代アートを紹介してるソフトなラウシェンバーグ的存在で、アートとエンタメの中間にその身をおいて妥当な道を歩んでる。コンセプトやアイディアが先行して、純粋に視覚的にカッコいいアートってのが影を潜めえるコンテンポラリー・アート界において大竹伸郎は清々しいほど常識的だ。

こういう主流があって、初めて裏をかく連中の存在が栄えるのだ。
革新性のない美術家 ★★★☆☆
1960年代までに既にそこにダダとポップアートとジャンクアートの燦然たる美術史があるのに、大竹はそこに何一つ付け加えられるものがない。ただ美術史に意図的に無自覚でいられる図抜けた、ふてぶてしさ以外には。ふてぶてしい個性が大竹の美術やエッセイを特徴づける。それは悪くはない。ふてぶてしい個性が彼の二流芸術家としての地位を確固たるものにしているからだ。しかし彼の芸術に過去の芸術を越え行くものが全くない以上、残念ながら、どうもがいても二流芸術家にとどまらざるをえない。そこに本エッセイ集のもどかしさの理由もある。
作品よりも好き ★★★★★
大竹さんの作品を紹介する美術番組を見て、
画面の中の風貌がなんとなく印象的だったので、
たまたま図書館で見かけたときに読みました。
それが大変に素敵ではまってしまいました。

ネガな夜という小説集もいいのですが
個人的には実際あったような出来事を
彼の視点で書いたこの作品集の方が小説っぽくて好きです。