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多極化世界の日本外交戦略 (朝日新書)

価格: ¥819
カテゴリ: 新書
ブランド: 朝日新聞出版
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「打ち払い外交」と「ぶらかし外交」には苦笑 ★★★★★
日本の外交を評した「打ち払い外交」と「ぶらかし外交」には思わず苦笑してしまいました。
国際社会が1対1の同盟関係から多極化に移行した現状と、その中でどのような行動をとるべきかがよく分かる本です。
経済大国なのに政治大国にはなれなかった外交官としての悔しさと今後予想される経済の衰退、あるいは武士道の美しさとレトリックの世界とのギャップなど著者の迷いも伺え、それに共感しながら読めました。
人材が育たない理由や対策も述べられていますが、結局のところ「外交が政治家の票につながらない」「ヘマをしたらたたかれる」ことがあげられるでしょう。つまりはマスコミにもっとしっかりとしてもらうことだと思いますが、そこでも同じような問題があるように思います。
いずれにしても「戦略」的な見方と考え方、それでも政治家が動かなくては限界がある現状を解りやすく示している本です。
日本はなぜ国連安保理に入る必要があるのか ★★★★★
不要論も囁かれる国連を巡るタイトルの論点が、本書を読むとすっと理解できました。

常任理事国入りの説明として、通常は「情報収拾」と「分担金の額、国際的な地位に相応しいポスト」がよく言われます。
何となく分かる気もしますが、その中身は実は分からない(例を挙げて説明することは難しい)し、常任理事国入りするために何がなされていて、またこれから何をなすべきなのかも見えづらいものだと思います。
本書の中ではこれらについて、安保理が主題となっている6章はもちろん諸外国の国連活用事例(160ページから)など、具体的な事例で常任理事国入りの必要な理由が示されています。とても分かりやすく、説得力がありました。
本書は日本の常任理事国入りのみを扱ったものではないのですが、神余氏の主張が凝縮されていて特に印象に残ったので、この点を取り上げてみました。

なお、本書は研究者や専門家を対象にした学術書ではありません。そのため、国連や多極化、外交を巡る研究を踏まえて書かれていますが、1つ1つ先行する研究を挙げてはいません。
しかし、決して単なる実務家による現場報告ではなく、研究者や専門家、実務家にとっても面白い内容となっているように思います。

また、外交をこれまで学んだことのない読者には、具体的な事例を通じて分かりやすく訴えかける構成でした。
外交の最前線と国民をつなぐ、分かりやすい本と言えるのではないでしょうか。
主婦にも必要な教養書 ★★★★★
最近のニュースで、中国やインドなど新興国の台頭、片や元気のない日本を
見るにつけ、子供たちの住むこの国は今後どのような道をたどっていくのか、
漠然とした不安を覚えていました。本書では現在の多極化世界について詳し
く説明されており、日本の立ち位置、今後日本がたどるべきマルチ外交への
道について述べられています。

また、外交に携わる多くの人のエピソードが紹介されており、外交はそれを
行う人に負うところが大きいと思わせられました。こういう本を読んで親が
勉強し、日常的に子供と世界情勢について話す家庭が増えれば、良い人材が
出てくる土壌となるように思います。

テレビや新聞のニュースより一歩踏み込んだ国際情勢、外交について、現役
外交官から話を聞いてみたいと思っている人にオススメの本です。
多国間外交を通じた外交立国としての日本の目指すべき方向と、その基盤たる日本人のあり方 ★★★★★
現役の外交官による、日本外交のあり方への提言書。

全体を通じて第一線の実務者ならではの視点・情報が豊富に盛り込まれており、著者がなにゆえ主題の「マルチ外交」を提唱し、さらにそれを前提とした日本の目指すべき方向(最終章)を提言しているのか、説得力溢れる展開となっている。

誤解を招くかもしれないが、「日本の外交戦略」というよりむしろ、(多極化時代の)外交戦略の基盤、あらゆる交渉において基盤となるのは外交官(交渉担当者)の資質であるといった内容が、一読後の感想として残った。
本書を貫くこの視点は、(特に国連における)一国の外交がそれほどまでに個人に左右されるものかという驚きが新鮮なものであった。本書にはこの点を分かり易く伝えるエピソードが随所に盛り込まれ、多極化を踏まえたマルチ外交の重要性について、実際の交渉にあたる者ならではの視点から非常に明快な理由が示されており、面白い。

例えば安保理常任理事国入りを目指すべき理由についても、よく言われる「情報の収集」「議論の蚊帳の外に置かれない」といったあやふやなものに留まらず、具体的なエピソードで紹介されている。近年、国連不要論も再燃している中で、日本外交、とりわけマルチ外交の舞台としての国連の重要性をこれほど分かりやすく解説されているものはなかなか無いように思う。このように理念的な話ではなく、生の話となっているため、特に外交に興味が無くとも非常に面白い内容に仕上がっている。
自分なりに注目するきっかけ ★★★☆☆
一定の思想的鋭さはあるものの、別段目新しい概念を提唱しているわけではないです

日本国内ではあまり取り上げられない、日ごろ気にすることもない、そしてなかなか知りえないような、他国の発言、動向や、日本(首相など)のそれ言動など、知識的にもおもしろいものがありました

主張(の一部)を簡潔にいえば、
交渉に長けた文化にいない日本として、いかに外交をすべきかについて語っており、
従来の2国間外交・戦略や交流を欠いた外交ではなく、多国間で、智略的な外交を薦めているようです

以前の自分のレビューがあまりに脈絡なかったので補正。。。
(特に以下は新しく書いたもの)

テーマで区切った枠内で、話題の逸脱はないんですが、雑然としている印象があります
もっと整理された文章がかけたのでは?という思いがぬぐえません

「文章が整理されているならば、その人の頭は整理されている」とはいえても、「文章が雑然としているならば、頭の中は雑然としている」というのはやや乱暴かもしれません・・が、やはり気になります
さらに時折「ん?」と思うような認識的な表現や断定的な表現があり、論の丁寧さがほしい部分がままあります
詳しく言えば本文中ではその表現にいたる(背景的な)理由や論拠を見出しがたいものがあります


ただ、思想的に同意できるものえあるし、なによりも一番いえるのは、筆者が日本の未来を憂いているということです

「開かれた国家秩序における日本のあり方とはなにか」
そんな大切な問いを考えるためのきっかけになる本だと思います