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切手と戦争―もうひとつの昭和戦史 (新潮新書)

価格: ¥714
カテゴリ: 新書
ブランド: 新潮社
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郵便から読み解く当時の世相 ★★★☆☆
切手とは、郵便とは一つのメディアである。
単に物品や情報を運ぶための媒体ではなく、切手や消印そのものがメッセージを持った媒体である。
本書も切手や消印をメディアとして捉えなおし、郵便が出された時代・地域の情勢を読み解こうとする著者の研究活動の一環である。

個人的には国家が意図的に切手にメッセージを込めたという部分よりも、意図せずに込められたメッセージを読み解くというアプローチにおもしろみを感じた。
防諜上の理由で数字のみの消印、日本の占領への反抗の意を示すための黒塗りの切手(それでも額面通りの価値を認めているのも面白い)、国家として認めない満州国の切手の有効性も認めない中国郵政・・・

戦況の進展とともに郵便にも日本軍の退潮と連合軍の攻勢が見て取れるのも興味深いところである。
プロパガンダとしての側面よりも当時の図らずも窺い知れる国情というものは他のメディアには見出しにくい、郵便ならではの特徴といえるだろうか。
新たな名著誕生! ★★★★★
切手というものは、メディアが未発達な時代や国々において、プロパガンダの有力な役割を担ってきた。こうした切手をモチーフに国際政治を読み解く著者の視点は実に画期的だ。これまで文革期の中国や北朝鮮など、ミステリアスな国の内情を切手を手がかりに読み解いてきたが、今回は戦前期の日本が舞台。当時の切手や葉書などの郵便物から「昭和の戦争」の本質を探る。その中身は、ここで明かすのがもったいないほどミステリアスでスリリングで滑稽だ。ぜひ続編も望みたい。