本書で扱われている項目は、コンテナ、vectorとstring、連想コンテナ、反復子、アルゴリズム、ファンクタ・ファンクタクラス・関数、そしてSTLを使ったプログラミングとなっている。他のシリーズと同様に、STLを使用する上で留意すべき点や効率的に作業を進めるためのテクニック、知っておくべき知識などが50のTipsとして提示されており、それぞれに詳細な解説と豊富なコードが用意されている。これらの解説は実際にとても勉強になるのでSTLの学習においても役立つだろう。また、これらのTipsは上にあげた項目ごとにまとめられているので参照はきわめて容易である。
本来、多くの経験を積んではじめて身につく知識、スキルの数々がこのように非常に利用しやすい形で提供されているのはとても魅力的である。多くの参考文献の紹介と情報リソースとなるWebサイト情報なども収録されており、これらの情報も役に立つ。STLを利用するプログラマーにおすすめの一冊である。(斎藤牧人)
STLの入門書では、コンテナ・アルゴリズム・反復子の説明の後、
vector・list・set・mapなど個々のコンテナや高度なアルゴリズム
の解説がされているというスタイルが多いと思います。
これだけを学習するのも結構大変なのですが、いざSTLを使って開発
しようとすると、学習した内容以上の使い方をすることになってしま
います。例えば、ポインタのlistなど。
ポインタのlistはありがちですけど、入門書では触れられていません。
しかし、普通に使ってしまうと、メモリリークを起こしたりします。
そんな実際に開発するときに陥ってしまいそうな罠に対して、鉄則という
形で救ってくれるのが本書です。筆者の長年の経験や情報収集によって、
有益なことが厳選して載せてあります。
まず、入門書でSTLを学習した後、本書を読むと効果的だと思います。