そう言うプロジェクトでは、学校と同じでいろいろな個性の能力を持った人間が一つの目的を持って、スケジュールにあわせて成果を出さなくてはならない。
ではそう言うプロジェクトをどう管理するか。
ビジネススクールで教わるようなソフィスティケートされた方法や、グループウェアのプロジェクト管理ソフトを使った自己管理中心のインテリジェントな方法では、現実には不十分もしくは不能な場合が多い。
最終的には人間の管理なのであって、そこは結構泥臭いちだ。
本書では多年の経験に裏打ちされた、実践的な方法が記載されている。
特に突飛な方法ではなく、ごく当たり前のことでもある。いわゆる「ABC」(当たり前のことを、バカみたいに、きちんとやる)に近いものだ。読んでいると自分の中での迷いが消えていく気がする。思わず頷いてしまう記述も多い。管理者だけでなく開発当事者にも読んで貰いたい内容だ。
なお、本書を選ぶにあたっての決めては奥付だった。3年前の本でありながら、初版で5刷も重ねているなんて、きっと素晴らしい本に違いない。そう思ったわけだ。実際に全国のぐったりした管理者は本書を読むことで、束の間、癒されたことと思う。
しかし、二十歳を過ぎたマイペースな開発者達を、改めて躾けるように「開発の基本動作としてのスケジュール管理を身につけさせる」というのが、これまた大変なのではあるが・・・。