ばけものが束になっても、びくともしないパワフルおじいさん!
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「とってもひとづかいのあらいおじいさん」が、「ばけものがでる」と評判の家へ引っ越しました。早速「ろくろっくび」が出ましたが、おじいさんが怖がらないので……。
せなさんの切り絵の「ろくろっくび」はとても美人。「ひとつめこぞう」「からかさ」「ひのたま」など、みんな正統派だけれど、おもしろい姿をしています。古典的なばけものたちの特徴がわかり、とっても楽しい。
感心させられるのは、「おおにゅうどう」は初登場のときには足しか見せず、おじいさんから「いえのむきをかえておくれ」(!)と命令されるところで、どんなに巨大なのか、全身の大きさがわかるようになっている点。それに、ばけものたちが退散していく場面では、切り絵の上にうすい紙が重ね貼りしてあり、不思議な感じがとてもよく出ています。大人も楽しめるお話です。