インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

がんから始まる (文春文庫)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
Amazon.co.jpで確認
癌とのつきあい方 ★★★☆☆
 40歳で癌と告知され、手術を終えて再発の不安を抱えながら癌と正面から向き合ってきた日々が淡々と語られている。癌告知はショックだ!でも大変なのは、告知された後だ。手術は治療の一歩にすぎず、退院してからも、再発と転移の不安は生きている限り続くという現実の重さをひしひしと感じる。 著者の自分の身体について知りたいと思う探求心と再発のリスクを少しでも抑えたいと思う気持ち。そこからは、「生きたい!」という必死な思いが伝わってくる。癌になっても癌に支配されない生き方を模索し、自分を見失うことなく生きていこうとする姿勢に感銘を受けました。著者は独身だが自分で決めた食事療法のために、疲れていてもスーパーのお総菜を買う事なく一から作っているのはすごい。私は私の主体でありたい。(P−154)この言葉に著者の強い意志が感じとれる。
著者の冷静さ ★★★★☆
「がん」という大病を経験しているにもかかわらず、著者はきわめて冷静に、病気と立ち向かっている。私も病気をしているので、種類は違うものの、共感出来る部分が多かった。家族思いな著者の、父親に対する思いには、こみ上げてくるものがあって、涙をさそう・・・。この本の、続編ともなっている別の著書もこれから、続けて読む予定。
よくぞ言ってくれた ★★★★★
 私は本作品を単行本で読んでいる。それでも何故この文庫本を買ったかと言えば、文庫本化の際加筆された「四年を生きて」に共感するものがあったからだ。

「病は気から」は真実か、の言葉で始まるこの章では、「病は気から、か。治らない人、進行して死んでしまう人は、本人の気の持ちようが悪いのか。(略)そんなことはないと言いきれる。」の一文に言いたいことが集約されている。そして私も全く同感である。

 最近のスピリチュアルブームで、「前向きに生きればすべて良くなる」ということを述べる本が増えた。それは良いことだと思う。しかし気の持ち方を前向きにしたら病気が治ったという話ばかり殊更に強調されると、「病気が治らないのは気の持ち方が悪いからなのか」と反論したくなってしまう。

 私は二年前ある病気で入院したが、「イメージングすればその通りになる」という本の言う通りに毎日全快した自分をイメージしたが、効果はなかった。私の恩人は非常に前向きな性格の方ですが、今不治の病を煩っている。最近の本を見ると、前向きに生きることを勧めるのはいいのですが、ともすれば「病気になる人は後ろ向きな考えがあるからだ」という議論にもつながりかねないのではないか。

 気の持ち方だけではどうにもならないものもある。私もそう思います。
私もがん患者です ★★★★★
私は1人暮らしではなく、親と同居している30代前半の女性ですが
私も(別の部位ですが)がんと診断され手術を受けました。
岸本さんのこの本は、入院目前に書店で見つけて購入したのですが
術後、ベッドの上で(同じがん患者として)非常に共感しながら
読んだことを覚えています。

がんは手術をしたから「はい、終わり!」というものではありません。
本当に早期の人だったら完治もあり得るのかもしれませんが
手術は治療の第一歩、つまり全ての始まりに過ぎず
岸本さんと同様に、私もこれからずっと再発のリスクを抱えて
生きていくことになります。

岸本さんの本はこれまでエッセイを何冊か読んできましたが
この本は、自分の病気を告知されたときの衝撃、そして「告知される
少し前までは、私は健康だったのだ」と思ったこと、全てが私のときと
同じように思え、また1人暮らしゆえの悩みや気苦労もあったと思うのですが、
そういったことも淡々と書かれていて、あっという間に読み終わってしまいました。

健康な人は、もしかしたら「がん」という言葉にも引いてしまうかもしれないし、
病気に関する本をあえて読もうという気も起こらないかもしれませんが、
特に独身で仕事を持つ、20~40代の方におすすめしたい1冊です。

著者の真摯な生き方に胸を打たれる ★★★★★
 もう、この著者の作品は就職活動期から始まって、10年以上もリアルタイムで読んできました。保険会社→中国留学→アルバイトをしながら書きつづけ、マンションも買ってコンスタントに本を出されるようになってこられた道のりを読ませていただいていたら「癌」とのこと、ビックリしました。
 でも、多分この本は著者のいいところが一番出ている本だなあ、と感じました。20歳代の頃の岸本氏は、こんなに生真面目で自分の生き方をいい加減にしない人は人付き合いや他の面でもしんどいことが多いだろう、と感じていました。でも、この本を読んで、彼女の何もかもに真剣に対峙する姿勢が、彼女をこんなに上等な人間にしたんだなあ、と感じました。
 闘病記というより、困難にあったときも、良くあろうとする人間の、人生の美しさを感じる本でした。