がんは手術をしたから「はい、終わり!」というものではありません。
本当に早期の人だったら完治もあり得るのかもしれませんが
手術は治療の第一歩、つまり全ての始まりに過ぎず
岸本さんと同様に、私もこれからずっと再発のリスクを抱えて
生きていくことになります。
岸本さんの本はこれまでエッセイを何冊か読んできましたが
この本は、自分の病気を告知されたときの衝撃、そして「告知される
少し前までは、私は健康だったのだ」と思ったこと、全てが私のときと
同じように思え、また1人暮らしゆえの悩みや気苦労もあったと思うのですが、
そういったことも淡々と書かれていて、あっという間に読み終わってしまいました。
健康な人は、もしかしたら「がん」という言葉にも引いてしまうかもしれないし、
病気に関する本をあえて読もうという気も起こらないかもしれませんが、
特に独身で仕事を持つ、20~40代の方におすすめしたい1冊です。