心の在り方が見えてきました
★★★★★
30数年勤めた会社を退社し、3年前に起業し漸く会社の体をなしてきた矢先に
突如宣告された癌は私と家族と社員のすべてを打ち砕いてしまいました。
思考は全てマイナスに向かい普通ではいられなくなった自分に、あるべき指針を与えてくれた書物になりました。
岸本氏の体験者としての視点が冷静かつ的確で、内富さんに何を言ってほしいかが伝わってきましたし、内富さんもそれに答えて癌にどう向き合えば良いかを、心の闇にまで入り込んでいたと思います。
家族が癌患者とどう向き合うかだけでなく、癌患者本人が家族とどう向き合っていくかと点も参考になりました。
がん治療研究の新潮流を分かり易く紹介
★★★★☆
「がんと心」というタイトルは抽象的だが、読むと「なるほど」と思わせてくれる。面白いなぁと思ったのは、がんの告知とその後のうつ状態など患者の心の問題のみならず、家族や医療従事者の心理状態、がんの発病とこころの持ちようなど、タイトルどおりの「がんと心」の問題が多岐にわたって触れられているところ。岸本さんの質問も的確だが、内富先生の良い治療を提供しようとする一所懸命な熱意にも打たれる。現在、日本では300万人ががんで闘病中であり、年間50万人が新たにがんと診断されているそうである。がん治療の新潮流がこれからも親しみ易く紹介されることを願う。
知識としてはいいけれど・・・
★★★☆☆
純粋に岸本さんの「いつもの」感覚をもとめていた私には
正直あまりいただけない内容でした。
やっぱりまだ自分が癌じゃないという、他人事だからですかね。
「いつもの」エッセイを求めている方にはおすすめしませんが、
癌に関しての知識としてはいいと思います。
より専門的な情報が入ります。
★★★★☆
作家の岸本さんと精神科医の内富氏との対談です。癌が患者の心に与える影響や患者を支える家族に対する影響から始まり、告知を如何に乗り切りかとか、癌とストレスに関すること、そして世の中の常識・非常識、更には患者の看取り方に至るまで語られています。
相変わらず、驚かされるのは、岸本さんの客観的な分析力。まだまだ他人事ではない立場でありながら、心の分析を行っているところなど、ある種のプロ根性を見たような気がします。前作の『がんから始まる』とは、本書が対談形式のためトーンが全く異なります。また、この病気が患者個人の問題だけではなく、家族やその人を取り巻く人々の問題でもあると感じ取った時、まだまだ大変な病気なのだと再認識します。