痛々しい
★☆☆☆☆
岸本さんのエッセイは割と好きで読んでいました。でも何だかこの本を読むと痛々しいのです。
いつもユーモアを交えてって、必要なことだったのでしょうか。
対象が対象だっただけに、もっと辛い気持ちを吐露してもよかったのではないか、と
思いました。
特にどうでもいいひと達から言われた「がん」に対するコメントにいちいち腹をたてているのを
書いてあったり、「平均寿命を全うすると信じていた」、70過ぎの年配の方に対して「がんにならなくても
そう長い時間が残されていたわけでもないだろうに」などという書き方は、見識を疑ってしまいました。
他人に言われることには敏感だけれど、他人に対する配慮が欠けているのでは。
「がんから始まる」の続編
★★★★☆
著者のエッセイは色々読んできたのだが、今回は、「がんから始まる」と、この本の2冊を借りて読むことにした。題材自体は、深刻で、重いのであるが、著者は、冷静にとらえていて、ユーモラスに語っている。著者をテレビで見たことがあるのだが、むしろ可愛らしい印象の人で、そんな人が一人で困難を乗り越え、そして今もなお、立ち向かっていると思うと、心打たれると同時に、励みになる。私ももうすぐ、40才だが、種類は違うが、病を抱えている。自分は、不幸だと常日頃から、思っているが、著者も大変だ。お互いに、大きなものを抱えて生きてゆかなければならないが、逃げることなく、勇敢に立ち向かいたい、と願うばかりだ。
いろいろ考えちゃいます。
★★★★☆
40歳になった今、この本を読むと
いろいろ考えてしまうことがあります。
まず、私はがんという病気をどこまで受け入れ、前向きに治療に臨めるだろうか、とか
仕事のこと、両親のこと、友人にはどこまで知らせるべきか・・・とか。
何より、自分にどれだけのことができるだろうか、と。
早期発見で治療をすれば、決して不治の病ではなくなったかもしれませんが
再発・・・ということと向き合っていかなければならないのもまた事実。
私ならどうするんだろうなぁ・・・ってことが想像できずにいます。
岸本さんのエッセイが好きで、たくさん読んでいたので
こういう現実を抱えていたことを知ると、ますます尊敬してしまいます。
ユーモアたっぷりに・・
★★★★★
タイトルはどきっとするかもしれないけれど、読むと、ああいつもの岸本さんだなあ、と嬉しくなる。彼女ならではのこだわりや勉強家なところなど、すごいなあと思いつつも、なんだかとても可愛くて(失礼!)、ふふっと笑えてしまう。この筆者独特のユーモアあふれる文章で、ぐんぐん読み進める。なるほどなあ、そうなんやあ、といろいろ考えさせられることも多く、参考になったり、勉強にもなったり。読んで面白かった。
テーマがちがうと…
★★☆☆☆
私は"がん"というタイトルよりも著者にひかれて手にとりました。
この著者のエッセイは、一見どうでもよいようなことに妙なこだわりを見せる姿勢と熱意が面白くて好きなのですが、本書のようにシリアスな問題がテーマとなると…
独自のこだわりを持って現状を打開しようという姿勢は相変わらずですが、テーマがシリアスなものになると、そこに"笑い"が入る余地がなくなるようで。
著者のがん以前の軽妙なエッセイのファンとしては予想外のものを読んでしまったという感じで、"う〜ん…"という感想です。