燎原の雲(北条早雲の生涯) 四、天地鳴動の巻
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山城国一揆が崩壊し、新九郎はかけがえのないものの多くを失ってしまった。新九郎は出家して早雲と名を改める。それは京の盟友、細川政元と決別する気持ちをあらわしたものだった。伊豆を豊かな国にしたい。早雲は年貢を減らし、まつりごとに力を尽くしていた。
明応七年(1498年)八月二十五日、史上最悪の大災害のひとつ、明応大地震が日本を襲う。東海地方は壊滅的な被害を受け、人々は悲しみのどん底につき落とされてしまう。領民を救うべく必死に働いていた早雲に、信じられない報告がはいった。権門の者どもにとっては、大災害すら権力を拡大する材料に過ぎなかったのだ。早雲は、ついに古き王法、腐りはてた権門を倒すために立ち上がる。