燎原の雲(北条早雲の生涯) 五、早雲の巻
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「半将軍」と呼ばれ、権力の頂点にいた細川政元。その細川政元も、よみがえった司箭院興仙の魔の手によって暗殺されてしまう。京は大混乱におちいり、何人もの将軍、管領が入り乱れるという事態になってしまった。乱世の幕が切って落とされたのである。
新しい世を打ち立てるため、早雲は東海の軍勢を率いて上洛する決意を固めた。だが、そんな早雲の前に立ちはだかったのは、信頼していた今川氏親だった。今川家を滅ぼし、古き王法を叩き壊しさなければ大業は成らない。肉親の愛情と大義の間で、早雲の心は揺れ動く。燎原の火がすべてを焼き尽くさなければ、新しい世は本当につくれないのか。早雲は苦悩の末に、新たな道を歩きはじめるのだった。