上手な視点の選択。
★★★★☆
はとバスというと、「東京物語」の一場面を思い出す。
原節子が笠智衆と東山千栄子を連れてはとバスにのる場面だ。
1953年のこの作品の中のはとバスは何かつかの間の何かを感じさせる象徴のようなものだろう。
この本はその草創期から東京五輪、高度成長期、そして今とはとバスの動きを追うことで日本の心を点描していこうとしている。
はとバスとは面白いものを手づるに選んだものだ。
そういえば夜の東京コースもだいぶ変わっているそうな。かつては吉原松葉屋のおいらんショーが有名だったが、今はショウパブのツアーが人気だそうだ。おまけに筆者ははとバスの飯ははずれが少ないという。確かにそうかもしれない。
自分も今度はとバスツアーのプログラムを調べてみようか、実際にのってみようかと思うくらいの興味深さがある1冊だ。