難しすぎない、長すぎない、でも練習効果のある絶妙なエチュード集。
★★★★★
ツェルニーはもちろん、モシェレスやショパンのエチュードが存在していた時期に作られた曲集なので、ピアノレッスン上の諸課題が考えられており、現代においても十分に通用する内容になっています。
難易度的にはツェルニー50番程度、上級者向けです。しかしショパンエチュードほど難しくはありません。パッセージに微妙な変化をつけることで手首や指先の柔軟性を養うように作られています。ページ数は見開きか3ページと短く、調性もシャープ・フラット3つまで。なので譜読みはとても容易です。編集をしたハンス・フォン・ビューローが前書きで使い方を解説していますし、各曲ごとにかなり詳細な解説があるので独学も苦労しないと思います。以下にポイントを列挙します。
・パッセージの作り方や和声進行的にバッハ平均律の影響が非常に強いです。この曲集はポリフォニックな奏法に対応する指つくりもできるので、平均律集と併用するとよいと思います。
・全音の表記はE難度になっていますが、実際には大半の曲がD難度です。難易度を下げつつ、少し癖のあるパッセージを弾かせることでテクニックを身につけさせよう、という意図があり、挫折せずに勉強できると思います。
・ビューローが言うように、面倒でも移調練習したほうがよいと思います。調性が単純すぎるので。
・単音パッセージの組み合わせが主体なのですが、要所要所で重音の難しい曲が挿入されます。これをきっちりさらっていくのがこの曲集を勉強する上でのポイントだと思います。
・1曲が短いので、持久力は養成できません。ショパンエチュードで持久力をつけなさい、ということでしょう。解説にショパンやリスト、モシェレスのエチュードに関する言及がありますので、参考にするとよいと思います。
上達は確実(私の場合)。
★★★★★
何年か前、ひぃこら言いながら汗だくで練習していた時
確実に今より上手でした。
なんとなく細かな音符を読むのが億劫になってきて
テクニックが落ちたな、と思う今日この頃
また順番に練習しています。
平均律の第二集・ショパンのエチュードを並行して練習していますが
譜読みがかなり楽になり、また指がよく回るようになりました。
ウォーミングアップとしては最適なので、しばらくは毎日ひくことにしています。
ポイントを絞ったテクニックを得られます!
★★★★☆
ショパンのエチュードは長い!譜読みも大変!そんな人には朗報です。
見開き2ページが多くて、しかも弾きにくい!運指も少々癖があって、これでもか、と同じような動きが続きます。
でも、不思議とテクニックがついていくから不思議です。使ってみるといいですよ。ツェルニー50番が終了したら、ぜひ!