暴走タクシーと犯罪者一味とのカーアクションがウリのはずのシリーズ。ついに第３弾です。
今回はクリスマスが間近ということで冬のフランスが舞台。

サンタ強盗に悩まされるエミリアン刑事と警察の面々。
エミリアンは恋人と遂に同棲状態。その辺はダニエルのほうが先輩なのだが・・・・
何と両方の彼女が時を同じくして「おめでた」状態に！
しかし、仕事が第一のエミリアン＆ダニエルは共に彼女にヒステリーを食らうハメになる。
父親になるということで、これまでの自身の態度を鑑みて深く反省する２人。

が、サンタ強盗が出没したところで、反省は中断。後回しで冬の雪山・アルプスまで追っかけるのです。

シリーズ第１弾と比してあまりにも路線が「お馬鹿」に寄り過ぎではありませんか？
今回は全然「カーチェイス」したって印象がありません。
ダニエルの愛車も「半分・除雪車」状態です。

冒頭でスタローンが客として登場するのは何の前フリかと期待していたのに「肩透かし」はズルイ！

こうなります。期待外れと謂わざるを得ないと。
中盤辺りまでのノリは割と良いのですが、肝心のカーアクションの退化は酷いもので、
前作以上を期待するのは非常に危険です。

今作のキモとなる雪上走行はオマケ程度。
ネタバレになりますが、敵がスキーで逃走を図るので先回りする…と言うもので、
パリで壮絶なカーチェイスを繰り広げた前作とのあまりの落差に絶望するしかありませんでした。
「Misirlou」が流れない辺りが更にクライマックスを盛り下げています。

前々からフランス語の先生に勧められていたＴａｘｉシリーズを、
すべて購入し、見てみました。

フランス映画好きの私としては、ちょっと中途半端な感じだったかも。

改造車は一作ずつだんだん笑える業をもち、とってもユニークで楽しく、
それぞれの人物の会話もフレンチテイストで好きでした。

しかし、雪山をタクシーで走る！中国人たちのあんまり凶暴とも思えないコソ泥ぶり。
ちょっと中途半端な演出だったのでは？と。
でも、このくらいちょっとダサ〜〜い感じがフレンチテイストといえますね。
そして、奥底考えてしまうようなテーマもなく、からっと笑えて、
そしてほんのり暖かい雰囲気が・・・・・。
そこがこの作品の愛すべき点なのかもしれません。

カーアクションで売り出した本シリーズだがここに来てコメディシリーズとして磨きが掛かっている。１作目から続く人物のキャラが立って来ていて味わいのあるギャグが満載。コメディ映画として安定感が出てきた。但しギャグのニュアンスは必ずしも日本人向けではなくフランス独特の空気を知らないと理解出来ないものもある。総じて爆笑というよりはニヤっとする類の笑いではあるが例のフランス風味のインテリ掛かった嫌味のあるものではない。カーアクションの方だが、今や目玉ではなくスパイス程度の要素である。雪上車仕様にしたりして目新しさを出そうとしているが、そんな無理なことをしないでストーリー運びで上手く演出して欲しい。詰まるところこの映画はキャラクター中心のコメディであるので車には期待しないこと。

迫力とインパクトの強いタクシー、それからストリーと演出が派手なタクシー２に比べて、手に汗握る様なスリルとスピード感には乏しい。そもそも、本「タクシー３」は雪上車をメインとしたアクションなのだから。雪上車はあまりスピードが出ない。しかし、なかなかのアイディアだと思う。カーアクションファンとしては、少しがっかりしたが、雪をものともしないマシンの力強さは見物だし、ストーリーも面白い。

雪上車の意外性と、ストリーを楽しめる。
タクシーシリーズの番外編的魅力だ。