現代ジャズを代表するギタリスト、J・スコフィールドと、先鋭的なオルガン・トリオのMMWは、以前、ジョンの『ア・ゴー・ゴー』で共演している。これも、ジャズというより現在の最先端ポップとして傑作だった。
本作は、MMW自身のレーベルの第一弾らしい。ジョンとMMW、対等の形での作品。
一言でいえば、予想を遥かに超える大傑作。正直、ジョンやMMWの近作には不満な場合もあった。しかし、これは最高。この四人、定期的に一緒にやったらどうか。
内容は、過去から近未来まで、あらゆるファンキーな音楽の歴史を踏まえ、それらを更に異化・奇形化したもの。しかし、無論難解ではなく、ノレる。
『ア・ゴー・ゴー』でのジョンのgは昔からのファンの一部には不評だった様だが、こういう方が今の音なのだ。本作でも、特にビートルズの「ジュリア」は超名演。
それにしても本作等は、ジャズ・ファンより、他ジャンルの先鋭的ポップ・ファンに聴いて欲しい。ジャズや現代詩には未だに面白いものが多いのだが、60年代で終わった文化と思い込んでいる向きがあるのは残念だ。