タイトルの「血に染まったダイヤモンド」とは、アフリカで不法に採掘され、武器輸入などの資金源となるダイヤ。内戦が続くシエラレオネを舞台に、元傭兵でダイヤモンドを横流しするダニーと、RUF(反政府軍)に家族を奪われた漁師のソロモン、そして不法ダイヤの実態を明らかにしようとするジャーナリストのマディーが、壮絶な運命をたどる。
何よりも衝撃的なのは、アフリカの実状だ。RUFによる人民の虐殺や拷問めいた行動。エドワード・ズウィック監督は、躊躇なくショッキングな映像を積み重ねていく。とくに、RUFに捕らわれたソロモンの息子を始め、銃を手にした子どもたちの行動には目を覆うばかり。キャストはそろって好演だが、ディカプリオの熱演が光る。ソロモンが発見したというピンク・ダイヤモンドを狙って悪役の面も出しながら、アフリカの現実から逃れたい切実さまで醸し出し、クライマックスの彼の表情には涙を誘われる。
社会派の重いテーマを貫きながら、要所での派手なアクション、ほのかなラブストーリー、さらに人間同士の感動ドラマが無理なく絡み、娯楽作として見ごたえ満点なのは高く評価されるべき。(斉藤博昭)
黒人差別が酷い
★★★★☆
ディカプリオは悪人に撤していて圧倒的。
ロマンスがあるのは救いが少しはある。
ただ、時間が長すぎる。
「よ,名脇役!」
★★★★☆
いっぱい人が死ぬんだけど,自分の家族だけは助かっちゃう話。
この映画も,美術がいい。
ディカプリオも頑張ってはいるけれど,なんだか準主役という感じ。そのほうが,全体的に引きしまる印象も。「よ,名脇役!」
なんじゃ・・・
★☆☆☆☆
主演のディカぷリオが不死身過ぎです ランボーか・・・
“アフリカ”を実感できる映画
★★★★★
アフリカでの、民族紛争と資源を狙った白人の葛藤を描いた作品。
タイタニックで有名な、レオナルド・ディカプリオが主演です。
爽やかなイメージとは一転して、今作では、タフで図太い男を演じています。
また、この映画の最大の特徴は、“アフリカ大陸”という未知の世界への【怖いもの見たさ】
貧困や暴力が蔓延しているアフリカという地は日本人にとって、未開の地。
それを映画という現場とは一歩離れた安全な場所から見られるのは、現実を直視するきっかけになるという点で、一見の価値ありです。
ディカプリオがかすんでしまうほどの魅力が、ストーリーにあります。
勉強にもなるエンタテインメント作品
★★★★☆
西アフリカにあるシエラレオネという小さな国での内紛を題材にし、
レオナルド・ディカプリオがアカデミー賞にノミネートされた作品。
この国は1961年に独立したが、その後40年間に渡って
紛争が続いていた。
この紛争の資金調達のため、不法に取引されるダイヤモンド
(紛争ダイヤ)を巡って現実に起きている問題が、密輸人(レオ)
・記者(ジェニファー)・拉致された漁師・少年兵にされたその息子、
などを通して描かれている。
まず、政府vs反政府組織(RUF)という構図がある。
このRUFというゲリラ組織のやっていることが残酷極まりない。
村を焼き払い、女性はレイプし、男性はダイヤ発掘のために拉致、
少年は徹底的に洗脳し訓練して、マシーンのような少年兵を
作り上げる。
その凄絶さは、
「国民の平均寿命が26歳」「国民の8割が家を失った」
「何万もの人達が腕を切り落とされた」
「少年兵を麻薬中毒にし、実の親を射殺させる」
というエピソードが物語っている。
RUFは、拉致した村人を使ってダイヤを発掘し、その利益で
武器を買い、紛争はドロ沼化していった。
この内紛は結局国民を苦しめただけで、政府側もRUFも愚かすぎる
けど、ビーチが美しく平和だったこの国を、ここまでボロボロに
してしまったのは大国や大企業だったりする。
世界中が欲しがるダイヤモンドが採れることで、国民が潤うどころか
蹂躙されてしまうのだ。
ここでは、世界中のダイヤを牛耳る「バン・デ・カープ社」
(明らかにデ○アス社)が象徴として出てくるけれど、じゃあ、
多くの犠牲の上で流通しているダイヤを買わなければいいのか?
というと、それだけでは済まない。
ダイヤモンドにしろ石油にしろ、(UAEなどの例外を除けば)、
多くは先進国が途上国から搾取することで成り立っている。
身近な問題では、例えば100円ショップに行くと、なんでこれが
100円で買えるの?と驚くことがあるけれど、これもアジアの貧しい
地方の若者の過酷な労働のおかげな訳で。
格差を是正するためには、世界の貿易の仕組みを変えて
いかなくてはならないけど、もしそれが実現すれば、私達
日本人の生活は確実に悪化するだろう・・・
と、こんな暗い話ばかりではなく、少年兵にされた息子を救い出そう
とする父親の愛情や、一緒に逃げる中で生まれる友情は感動的だ。
レオは、9歳で両親を殺され、傭兵として修羅場をくぐってきた
男の凄みが出ていたし、ジェニファー・コネリーは、美しく理知的で、
肝の据わった女性として魅力的だった。
扱っている問題はとても重いけれど、説教くさすぎることなく、
エンタテインメントとしても充分に楽しめる質の高い作品だと思う。