おもしろい・・・か?
★★☆☆☆
短編集だからなのか作品一つ一つの内容は薄く、盛り上がりにも欠けます。
また、自分的には受け狙いのような下ネタも受け付けませんでした。
人気のある作家さんなので期待していましたが正直がっかりです。
売れるには訳があった
★★★★★
売れっ子の東野氏の昔の作品の出来栄えはどうだったのかと興味を持って読み始めた。
短編集は実力がよく分かる。
短いストーリーでこれほど惹きこまれる作品は珍しいというのが率直な感想。
やはり売れっ子になるには理由があった。
文章(読み易さ)やストーリー展開がかなり優れている。
今後も活躍して欲しい。
粒ぞろいの短編集
★★★★☆
日常生活の中で、誰の身にも起こりうる犯罪がこの短編集の共通したテーマとなっていたと思う。東野圭吾はよく小説の中で、人間の深層部分に潜む悪意を(グロテスクではなく)あくまで淡々と描く。そのある意味怖いもの見たさにも似た面白さと、(現実離れしてないだけに)却ってそのリアル感によって読む側を強烈にストーリーへ引き込んでいくコツのようなものを心得ているように感じる。その最たるものは「白夜行」「幻夜」あたりになるのだろうが、この作品でもその趣向は例外ではない。それが顕著に表れたのは灯台の話だが、読んでいてまるで昔の怪談のようなジワッと冷や汗が出るような恐怖感を味わった。そして最後の陰鬱な余韻を残した結末(オチ)といい短いストーリーの中に作者の持つ計り知れない力量を堪能できた。他の作品は若干軽いタッチの作品やハッピーエンドのものもあり、それぞれ毛色も異なるが謎解きの要素も含め、どれも構成のしっかりとした粒ぞろいの短編集だ。
真相はどこに?
★★★☆☆
楽しい仕掛けが詰まった7編の短編集。
私的には仕事熱心な上司が工場の休憩室で殴られて死んでいたと言う「死んだら働けない」と前妻との間にできた娘を手にかけたのは、今の妻では?と疑い、新婚旅行中に妻の殺害を企てる夫を描いた「甘いはずなのに」が面白かったですね。
読後、いつまでも心に残るという性格の本ではないですが、通勤途中や何かの待ち時間を充実したものにしてくれる1冊です。
誰が一番怪しいのか
★★★★☆
七本の短篇が収録されている。情というもの、愛情、無情どちらもそれらに触れられる。
どちらかというと、なんとなくハッピーエンドな物語だが、『灯台にて』のように、陰鬱な情念というか、怨念みたいなものをさらりと写し出している作品もある。
どれもオチが秀逸で、安心とドキドキを繰り返しながら読める短篇集だ。