満点。
★★★★☆
この巻は完成度が高い巻だと思います。
絶望に効く薬はすごく好きで、全巻持っているのですが、
疑問を抱くこともしばしば。
でも、この巻は文句をつけるところが見当たりませんでした。
それぞれの生き方を見事に書かれていると思います。
「私は… 世の中は、『変えていける』と思ってますから。」
★★★★★
第11巻では“漫画の神様”手塚治虫氏の御子息であり、ヴィジュアリストとして活躍する手塚眞氏を筆頭に独自の道を切り開いたゲストの人物像に興味を惹かれた。
・ 「苦労と…努力が… イコールになっちゃうといけないですよね。」
「(苦労と努力の)一番の違いは、『やらされてるか』か『やってる』かっていう違いだと思うんです。」――独自の道を切り開いた表現者・手塚眞(映像作家)
・ 「絶望ってのはなんだかよくわかんないけど… 本当に厳しい所に行ってみると逆に希望が見えてきちゃったりするんじゃないかと思いますよ。衣食とかお金とかの問題が、『絶望』と『希望』を分けるわけではないんだってね。」
「人間って『自分のこと』に集中してると辛いけど… 人のためにって思ってると、救われちゃうもんですよ。」――多くの医療難民を救った医師・林達雄(医師・アフリカ日本協議会代表)
(世の中の流れに乗れないと不安である風潮に対して)
・ 「世の中のことは、放っとくにこしたことはないと思っちゃってますね。」
「なんか『楽しいと思ってること』を疑ってみるっていうのは、大切なことなんじゃないかな…」――インディーズの神話を作った男・ケラリーノ・サンドロヴィッチ(劇作家・演出家)
・ 「(運命の)流れに逆らわなければ… いつか『海』に出るんですよ。」――日本映画界の鬼才・三池崇史(映画監督)
その他にも『花と蛇』の著者で知られ、SMという概念を世に知らしめた官能小説の第一人者・団鬼六氏(作家)の透析を拒否し、自分の意思で延命を断った現在の生き様や女性との数々の色事の挿話は面白かった。
最後に今回の大物ゲストとして、『プラトーン』『JFK』、9・11テロを題材にした最新作『ワールド・トレード・センター』を手掛けた巨匠・オリバー・ストーン監督の挿話は氏の作品が好きな私にとって最も興味を惹かれました。
「私は… 世の中は、『変えていける』と思ってますから。」
ブラックな11巻!
★★★★★
今回の表紙の色はなんとブラック!真っ黒です。びっくりしました。
内容はマニアックな方々へのインタビューです。
あとがきを読むと「やりたいことがなかなかやれずに混乱している僕のために用意されたみたいだった」と書き記されています。
絶薬が山田さんのためにあると考えると腑に落ちます。
そのことが、さらに読者の方にも役立つのですね。
手塚眞:自分が本当にやりたいと思うことをやる時の苦痛は並じゃないから、覚悟しといたほうがいいですね。
林達雄:そこの人を助けるためにタイに行ったんじゃなくて・・・自分が癒されるために行ったんです。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ:世の中のことは放っとくことにこしたことはないと思っちゃってますね。
団鬼六:表だけでいこうとするとダメです。二面性がないとダメ。
古居みずえ:同じ生きるんなら熱く生きたほうがいいですよ。
オリバー・ストーン:どんなことを言っても、父は自分を愛してくれていたということです・・・
吉田惠美子:それしかねぇから、むぐんだよ。向いているとか向いていないとかはねぇよ。
三池崇史:いつも何かへんちくりんなもの作るから、次に発注が来るんだよ。
登川誠仁:私もさっぱり何もなくなって・・・ちょっとは良い人間になった!!
今回の絶薬は「達成型」と「展開型」の人のブレンドが絶妙です。
自分に合った生き方が見つかるかもしれません。