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森を歩く―森林セラピーへのいざない (角川SSC新書カラー版)

価格: ¥1,103
カテゴリ: 新書
ブランド: 角川SSコミュニケーションズ
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補助金がらみ?の森林セラピー基地を歩く ★★★☆☆
森を歩く 田中淳夫 角川SSC新書 2009

森林セラビーへのいざないという副題になっている。
森林療法というのは上原巌さんが使い出した言葉だそうですが、森林セラピーというのは林野庁が指導する形での造語だそうだ。また厳密には療法とセラピーの定義は違っていて、森林セラピーという言葉は商標登録もされているそうだ。さらに森林セラピー研究会が認定したものだけが森林セラピーなのだそうだ。要するに国が品質にお墨つきを与えたとのことである。何か補助金や天下りという匂いがプンプンしますね。そして全国に認定された森林セラピー基地なるものがある。
以前、森林医学という本を読んだ事があるが、医学と言うには心もとない内容であった。
何をもって森の医学的効用かというと、ストレスホルモン(唾液中のコルチゾール濃度)、血液中のNK細胞の活性化、血圧、心拍数等を指標しているが、では、何が、例えばフィトンチッドが直接的あるいは間接的に何に影響しているか等は未解明なようだ。
その様な状況で森林セラピー研究会という団体がお墨付きを与えていると言う事が理解できた。
さて、多くの人が森に入ると癒されると感じる。あるいは多くの中高年が山登りに興じる現在を見れば、森の効用は間違いなくあるであろう。そして科学は万能ではないという前提に立てば、国が主導するようなことではないのである。
湯治という行為は昔から行われ、難病が治ったというような記述も古くからみられる。おおそらく其れははっきりした医学的根拠は証明できないけれども経験的に日本人は知っている。日頃の労働から解放され、少しばかり普段より美味しい食事をして何日間かを森に抱かれた湯治場で過ごすことで人間本来の免疫力あるいは生命力が向上するのであろう。
要するに科学的証拠を頼りに右往左往してストレスを溜めるより、昔どおりの湯治という枠組みで十分なのであろう。
本書で「森を歩く」は上記の森林セラピー基地を歩くとの意味である。
ちなみに本書にはCWニコルさんのアファンの森の事例は出て来ない。たしか既に多くの森林と医療とのコラボレーションに関する取り組みをしていたと思うが。
今度は上原さんの森林療法の本を読んでみたいと思う。
読んでいるうちに癒される!?森林セラピーのいろはが分かる一冊 ★★★★☆
森林浴という言葉が現れて久しいですが、あまりきちんと森林浴を取り上げた書籍は多くないように感じます。

類書でやたらと細かい実験データを掲載して、森林浴の効果を説明している本がありましたが、読んでいるうちにかえって疲れてしまったことがあります。

そうした中、本書は森林セラピーの成り立ちから現状まで、分かりやすく森林セラピーというものを紹介していてとても参考になります。

また読んでいるうちに、なんだか癒されていくような印象を受けました。

あえて言えば、「森林セラピー基地」はちょっと遠いので、もう少し身近にある森を紹介して、一人でできるセラピーのエクササイズなどを紹介してくれると良かったかなと感じました。
森林療法の可能性 ★★★★☆
「森林療法には、日本の森と人と地域を元気にする可能性が隠されている。」
と、本文が締め括られています。

読んでみると、
その意味がわかること思います。

森林療法には、
「森の中を歩くことの健康増進効果」、
だけにとどまらない可能性があるわけです。


「全国森林セラピー基地ルポ」の章では、
行ってみたい場所ががいくつがありました。

その中でも特に、
「清流四万十源流・天狗の森」に、
行ってみたいと思いました。
こんな本が欲しかった ★★★★★
実は、こんな本が欲しかった。「森林療法」「森林セラピー」について詳しく解説してくれ、そして案内してくれる本が。この本は、それをカラー写真で、丁寧に紹介してくれます。森林ヨガ、スノーキャロット、森林トレーナー、人間に会わない森林浴、マタギ道、宗教セラピー、天空ラセピーなど。一言で、森林療法、森林セラピーといっても色々な、やり方があるのですね。いまさらながら考えさせられました。

森林セラピーが必要な方の必読書だと思います。

しかし、この本の面白いところは、それらの各種セラピーの紹介よりも、第1部の「森は本当に人を癒せるのか」の部分の記事です。「どうやら森林が、病気によいらしい」という意見は、山岳関係者には常識になっていますが、実は、根拠が曖昧だったりするんですね。経験で感じているだけだったりする。それについて、第1部の「森は本当に人を癒せるのか」について詳しく述べられています。ここで、上原巌さんが登場します。この方がキーポイントになる方なのですが、恥ずかしながら私は、この方を名前くらいしか知りませんでした。