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毒と薬の世界史―ソクラテス、錬金術、ドーピング (中公新書)

価格: ¥840
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
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「世界史」とは言えないが・・・ ★★★☆☆
毒、薬と人類の歴史のかかわりを描くことを目的にした本だがエピソードの羅列になりがち。特に室町以前の描写は毒、薬以外の科学全般に対する記述があり、より一層その傾向が強い。

江戸以降の記述に関しては北里柴三郎や高嶺譲吉などの功績に関するエピソードが豊富で歴史に関心がある人も楽しめると思う。また毒ガスが白血病の治療薬に転用された話など著者の持論である「薬毒同源」も展開される。
毒にも薬にも ★★★★☆
「現代に生きる私たちにとって、きわめて多種類かつ大量に存在する毒と薬といかにうまく
つき合っていくかは大きな課題の一つといってよい。そこで、本書では、毒と薬のことを
もっと身近なものとして知るために、さまざまな毒や薬がどのようにして人類の歴史に登場し、
人類と歩みをともにするようになったかを概観してゆきたい」。

 古代メソポタミア、エジプト文明から現代に至るまで、古今東西豊富な資料を渉猟しつつ、
毒と薬、あるいは時にクスリを論じ、そしてまた当然にその関連領域たる化学や医学にも
言及した一冊。豊富なエピソード、トリビアを盛り込んでいるために、個々の記述は簡潔では
あるが、かといって情報量に著しい不足があるとも思わない。極めて高密度。
「薬を薬として、毒を毒としてだけ見ていては見えないものが、毒を薬の側から、また、薬を
毒の側から見ると、それまでに見えていなかったことがよく見えてくる」との筆者の意図は
かなりの部分で果たされたのではなかろうか。
 化学式や光学異性体などと聞かされただけで嫌悪を催すようでは辛いテキストだろうとは
思うが、他のレヴューが言うように、薬学を弁えぬ人間が読んで理解不能というほどに高い
ハードルが横たわるとは思えない。
 毒にも薬になりうる、非常に有益で完成度の高い一冊。
これは相当面白いです! ★★★★★
古代から現代までの毒と薬の歴史を辿るものですが、本書で一貫して流れている考え方は「薬毒同源」というものです。
つまり、薬と毒は不可分であり、薬や毒は生まれながらにして薬や毒なのではなく、あくまでも人間によって薬や毒になるという考え方です。

その「薬毒同源」を表すかのようなエピソードや記録がふんだんに盛り込まれていて、とても勉強になりました。
また、歴史好きの人にとっても薬学の面からみた話は珍しく、興味深いのではないでしょうか。

あとは、海外に比べて日本では薬剤師に正しい地位が与えられていないという話も面白かったです。

注意しなければならない点としては、薬や毒の化学の話になると多少細かい面が出てきて、そういったことを学習したことがない読者にとっては理解しにくい箇所があるといったところでしょうか。
ただそれも全体の面白さを損なうまでのものではないので、文系の方も安心して読めるのではないかと思います。
座布団5枚 ★★★★★
大変読みやすく、毒と薬、医学の進歩について幅広く多面的に理解できました。
最近の出来事も含めて、過去から現代までの毒と薬と逸話が簡潔に書かれています。
著者の驚異の博識のなせる業なのでしょう、飽きさせません。
薬学の本というより毒と薬に関する歴史書 ★★★★☆
 毒と薬は表裏一体。自然界に存在する生物体から得られるものもあれば、膨大な数の化学物質から得られるものもある毒と薬。人類が見出した毒と薬の歴史を振り返る新書。なかなか興味深い知見も多いが、毒と薬に関する専門的な内容を期待すると期待外れ。薬学の本を読んでいるというよりは、歴史の本を読んでいるような感じ。薬学の内容を期待していたので★4つ。