初心者向きではありません
★★★☆☆
基本的には、既に他書でBSCを理解した上で、その理解を深耕する上での選択肢の一つという位置づけだと思います。
大学の講義で使用しましたが、この本における例が初心者、特に学生には適当でなく、説明に苦労しました。判っている人には苦にならない、けれども、今から理解しようとするには親切とは言えません。
ただし、視点の例を豊富に掲載しており、一通りの理解が住んでいる場合は、まあまあのできと言えるでしょう。
評価には、出版年を差し引いてあげないと気の毒な気がします。当時、BSCの全体像を提示して、しかも、それを比較的容易に実現していた本としては珍しい一冊です。
しかしながら、BSCが一般的になった(?)今では、その役割は、BSCの基本理念が進歩してしまっている以上、キャプラン・ノートンのお二人の発想当時の原型を見つけるためには役に立ちます、がしかし、残念ながら入門書としての役割は終えていると言わざるを得ません。
内容の出典もあり、よく整理されている
★★★★★
本書は、バランススコアカードのテンプレートを始め導入に必要な情報が丁寧に紹介されている。また、その出所も掲載されているので、筆者が独自に考えたものではないことが分かり、それよりは安心して利用できそうだ。今まで読んだバランス・スコアカードの書籍では、「戦略マップ」と本書が内容が豊富だった。これらをじっくり読めばほとんどの知識を把握できるだろう。
理解した後で読むと感心することばかり
★★★★☆
著者の吉川武男教授は日本におけるBSCの第一人者です。実際に私はコンサルティング先で、BSCによる経営計画をこの本と他の数冊の本を読み、策定してみました。策定前には、この本は役に立たないと思いましたが、BSCを策定した後で読むと、名著であることが分かりました。
他のBSCのハウツー本より、学術的ではありますが、この方が理論的に経営者や従業員にBSCの何たるかを説明できると思います。私は、他のハウツー本とこの本の両方を読むべきだと思います。
なお、この本も他のハウツー本も実際の会社で事業計画にどのように落とし込んで行くかの解説はありませんので、それは、BSCの研修機関で学ばれる方が良いと思います。
研修やセミナーのレジュメとしては使えるかも。
★☆☆☆☆
この著者の前著(バランス・スコアカード入門)同様、本としての独立性が乏しいようだ。
パワーポイントを多用し、ビジュアルに依存した中身の無いセミナーや講演会が世にあふれているようだけど、
この本を読んでいると、そのような気持ちになった。
まあ、セミナーや講演会での補足資料としての価値はあるかもしれない。
いずれにしても、この本を読んで、知的好奇心を刺激されるということは考えにくいし、
一見初心者向きのように見えるが、初心者が読むべき本ではないと思う。
なぜなら、初心者が読むべきは、BSCに関する興味を喚起し導入に向けての情熱を高めてくれるものであり、
決して、血の通っていないアンチョコであってはならないからだ。
概要をざっと知るにはいい本
★★★★☆
バランススコアーカードの手法をざっと概観したいという向きには
大変わかりやすい入門書だと思いました。
図表も多く、解説も簡潔です。内容は正確だと思いました。
本書で概要をマスターしたあと、キャプラン、ノートンの原点に
あたり、背景となる考え方を理解するといゆ使いかたもよいのかも
知れません。