パソコン、PS2でヒットし、実写OV化もされた同名人気ゲームを原作に、まったく新たな設定とキャラクターで贈る純愛青春アニメーション・シリーズのDVD第5弾。第8話「雪が降っていない街」第9話「なかなか飛べないね…」の2話収録。いくつもの複雑な状況と感情が絡み合う中、眞一郎(石井眞)は乃絵(高垣彩陽)に励まされて再び絵本を書き始めるなど、二人の仲は親密になっていくかに思えたが、その後ドラマは急転直下。それまで薄幸と孤独に苛まれてきていた比呂美(名塚香織)を取り巻く状況にようやく変化が起きて、その点ではほっとするものがあるものの、眞一郎の真意に気づいてしまった乃絵の心は……? 演出は一段と繊細に、セリフはさらに効果的に、クライマックスに向けて、ますます目が離せなくなってきた。(増當竜也)
感情の揺れをきちんと描いている
★★★★★
エゴによる裏切りや、逃避のために自分に嘘をつく、周囲の人たちの気持ちに気が付いていないなど、人間の醜い面も含めて正面から各キャラクターを描いていると思う。しかし、その感情を直接的には表現されていない。
オンエアは全部観ました。すでに発売された巻はすべて購入しました。何回も繰り返し観ていますが、観るたびに登場人物たちの気持ちを想像し、それを楽しんでいます。そういう鑑賞のしかたができる希少な作品と思います。
惰性に身を任せ、堕ちる
★★★★☆
La'cryma原作のTVアニメ「true tears」第8,9話を収録したDVD5巻です
富山県を舞台に本音で話せない少年少女たちの恋と心の迷いと
すれ違いを無駄な説明を排して丁寧に描いています。
原作弄りの達人・西村純二監督により描かれる完全独自の世界観は
とても心地よく晴れやかに仕上がっています
(総合7/10点)
第8話「雪が降っていない街」★★★☆☆6/10点
沈黙と停滞。本当の気持ちから離れ、どんどん深みにはまる憂鬱さを
捉えています。乃絵の無垢な笑顔すら逆に痛々しく感じられるほどです。
モラトリアムのごとく自分を欺き、怠惰に堕ちていく比呂美の黒い感情の
現れが事態の収束を匂わせています。はっきり言わずとも、あうんの呼吸で
状況が狂うすれ違いが何だか嫌な感じです
第9話「なかなか飛べないね・・・」★★★★☆8/10点
セリフが少ない。動きも最小限。もはや情感、情緒、意味合いといった
不明確な感触のみで心理描写を研ぎ澄ました演出に溜息の連続でした。
バイク事故から離れていた家族が繋がり、誤解とわだかまりが次第に解けていく
あらましも丹念で、微妙な笑顔やハーモニー(止め絵)挿入もなかなかにくい。
絵本の続きとそこにある本心を察する乃絵の気遣いも見事。
日本人独特の察しと思いやりの心情に溢れています。
でも眞一郎のハーモニー挿入は絵の向きが左右逆じゃないですか?
それぞれの…本当の想い。
★★★★★
自分の気持ちにウソをつき続けた比呂美…。
眞一郎と過ごし、眞一郎を想い続けた乃絵…。
乃絵と過ごしてきた大切な時間。
比呂美との想い出。
どちらも眞一郎にはかけがえのないモノだった。
そうして、それぞれの想いが溢れだす…。
眞一郎が気付き始めた本当の想いとは…?
本当に大切なモノは何か? そう考えさせられます。
良い話です
★★★★☆
1〜7話までボコボコに打たれ続けてきた薄倖ヒロイン・比呂美ですが、
vol.5収録の8話と9話で状況が大きく変わります。
ようやく逆転のランナーが出塁した、という感じでしょうか。
起承転結でいうと、ここから10話までが「転」にあたります。
そして次巻の10話ではついに特大のホームランが・・・。
一方、これまで無邪気な愛らしさを振りまいていた乃絵のほうはここから暗転します。
比呂美を苦しめていた「兄妹疑惑」と「眞ママとの確執」ですが、
この巻をもってすべて解消されます。ただしその説明部分はほとんど無いです。
切り抜かれた写真や、眞ママのセリフから心境の変化を想像するしかない、という感じ。
この点に不満を抱く人も多いみたいですが、
個人的には省略して正解だったと思ってます。
眞ママとの確執問題に限らず、true tearsはセリフ・描写・説明が全体的にぼかし気味で、
意図的に視聴者をミスリードに誘うための、細かな演出が多いです。
描かなければ動くことのない、つまり意図しない動きは絶対にしないアニメにおいて
こういった演出をするのはかなり手間がかかることで、
しかも労力の割に得られる効果は少ない(伝わりにくい)ため、
実写ではともかく、TVアニメでこういう演出は珍しいです。
おかげで、キャラクター達は見事な名優ぶりを見せてくれてます。
声優さんはもちろん、抑制のきいた「絵の演技」が本当に素晴らしい。
視聴者側に想像する余白を与え、繰り返し見ることで各々が行間を埋めていく。
これは、この作品を見るうえでの楽しみ方の一つ。
はっきりした答えや、分かりやすさを求める人には嫌われるでしょうが、
個人的にはこういう演出もアリというか、かなり好きですよ。
真心の想像力を駆使して見ましょう
★★★★☆
1〜7話までボコボコに打たれ続けてきた薄倖ヒロイン・比呂美ですが、
vol.5収録の8話と9話で状況が大きく変わります。
ようやく逆転のランナーが出塁した、という感じでしょうか。
起承転結でいうと、ここから10話までが「転」にあたります。
そして次巻の10話ではついに特大のホームランが・・・。
一方、これまで無邪気な愛らしさを振りまいていた乃絵のほうはここから暗転します。
比呂美を苦しめていた「兄妹疑惑」と「眞ママとの確執」ですが、
この巻をもってすべて解消。ただしその説明部分はほとんど無いです。
切り抜かれた写真や、眞ママのセリフから心境の変化を想像するしかない、という感じ。
この点に不満を抱く人も多いみたいですが、
個人的には省略して正解だったと思ってます。
眞ママとの確執問題に限らず、true tearsはセリフ・描写・説明が全体的にぼかし気味で、
意図的に視聴者をミスリードに誘うための、細かな演出が多いです。
描かなければ動くことのない、つまり意図しない動きは絶対にしないアニメにおいて
こういった演出をするのはかなり手間がかかることで、
しかも労力の割に得られる効果は少ない(伝わりにくい)ため、
実写ならともかくTVアニメでこういうことしてるのは珍しいです。
おかげで、キャラクター達は見事な名優ぶりを見せてくれてます。
声優さんはもちろん、絵による抑制のきいた演技が本当に素晴らしい。
視聴者側に想像する余白を与え、繰り返し見ることで各々が行間を埋めていく。
これは、この作品を見るうえでの楽しみ方の一つ。
はっきりした答えや、分かりやすさを求める人には嫌われるでしょうが、
個人的にはこういう演出もアリというか、かなり好きです。
あ、あと「ここがヘンだよバイク事故」については、
突っ込み所も多々あるでしょうが、まぁご愛敬ってことで。