驚いた
★★★★☆
現在の人が書くのであれば当たり前の事として処理されるが、200年以上の前の人が、
これだけの理論をもっていたことには正直驚いた。
商業、農業について、貿易、植民地、税金などについての考えがしっかりと記されている。
当時の植民地の状況なども詳しく記されており、歴史書としても通用する一冊だった。
(上下巻なので2冊)
ただ、値段が高かったのが難点であった。もう少し購入しやすい値段であれば、
良かったのだが。
読みやすいけれど
★★★★☆
下巻も上巻に引き続き書いてある記述が歴史的にも貴重な資料と言えますが経済学に精通する人以外には「退屈」かも知れません。
そういう人にはP.549の解説から読む方がいいし理解も早いでしょう。
国富論はあまりにも書いてある内容が広範囲なために読む章によってでも焦点がボケてしまいがちだが
解説から知れば
第1編は「ミクロ経済学」
第2編は「マクロ経済学」
第3編は「経済史」
第4編は「経済政策論」
第5編は「財政学」と要約されていてわかりやすい。
はじめに下巻末の解説から読み、次に上巻から読み進める
読み方としては問題集ドリルの答えから先にみるようで正しくはないかもしれないが
こっちのほうが挫折しないで読み終えられるかもしれません。
神の見えざる手は働かない
★★★★★
さて、国富論は今まで中公文庫、岩波文庫から発売されていました。今回、改訳したものを出版したものです。
スミスは経済学の祖としてあまりにも有名ですが、彼の唱えたことが現実経済に於いて、本当に働いているかどうか検討すると、答は完全なノーです。見えざる手は働きませんし、働いていることを前提としている新古典派経済学は破綻しています。けど、この本から経済学が出発したことは明かです。この本を読んで、ミル、リカード、マルクスを読んでどの様にして止揚していったかを考える上でも良い本だと思います。けど、高価なのが難点。文庫を揃えた方が安くつきます。訳文はこちらの方が良いですけど、今後、引用文献として採用されるかが問題ですけど。