時代、だったのだろうか。一体なんだったのだろうか。
★★★★★
浅間山荘事件については佐々淳行さんの著書も読んだ。この本は、当時取材にあたった久能さんの、取材者側から見た事件について書かれている。そのため、警察の動きもよくわかり、マスコミの動きもよくわかり、事件の経過についても図や写真が豊富でわかりやすい。
この事件は今で言えばテロリストの起こした犯罪ということになるだろうか。殉職された方が2人、そして人質となった牟田さんは、取材の過程で言っていないことを曲解されて報道されたりして、そのことが原因で被害者なのに世間から非難を受けるという理不尽な目にも遭った。さらにこの事件が思わぬ方向に展開し、なんと連合赤軍が犯した仲間14人の大量殺人事件が明るみに出る。
この事件があったとき、自分はまだ物心ついたかつかない頃で、のちに母親に当時のことを聞くと、一日中テレビで生中継されていて大変な事件だったと言う。この本を読み終えて、本当に大変な事件だったのだと思った。時代、だったのだろうか。あれは何だったのだろうか。同時代に生きていなかった自分にとっては、一生の謎なのかもしれない。
大事件を通じて見た報道機関のドキュメンタリー
★★★★☆
浅間山荘事件をアナウンサーの立場から見ている。
本書はよく取材もされ、詳細に書かれているが、坂口弘はじめ連合赤軍の当事者達が書いたものと比べるとやはり肉薄してくる感覚は乏しい。
しかし、事件を客観的に見ている点や当時の報道機関の様子がよく解る点で本書は優れている。
この本を読む限りテレビ局は今ほど傲慢ではなく、堕落してもいなかったようだ。
マスコミが見た真実
★★★★☆
あさま山荘事件について、マスコミの視点から記録されている内容です。
「真実」と題名に付けられていますが、何をもって「真実」とするかは、それぞれが
この事件にどう関わったかにより違うと思いますが、ここに書かれていることも間違い
なくあの事件の「真実」だと思います。
銃撃戦の描写については、当事者が書いたものに比べて迫力に欠けるのは明らかですが、
いつ撃たれるか分からない緊張の中でのリポートや、事件後の丹念な取材などに関しては
連合赤軍を扱った他の書とは一線を画し読み応えがあります。
著者本人も残念がっていましたが、犯人の坂口・永田両死刑囚に直接インタビューが出来て
いたら、もっと評価の高い書になっていたと思います。
『真実』っていうよりは・・・
★★★☆☆
マスコミの裏話としては面白いと思いますけど、あさま山荘事件の本質を理解するためには、やはり当事者の著作の方がリアルであると思います。
結局は、報道の裏話も一種のエンターテイメントでしかない、といったら、やっぱり言いすぎですかね?
マスコミサイドの記録
★★★★☆
今まで佐々淳行さんや坂口弘死刑確定囚の著作を読んできたが、ここではマスコミサイドから見た浅間山荘事件が描かれている。
CM抜きで放送するのをプロデューサーが当日判断したこと、予定より犯人逮捕が長引いたため、なかなかトイレに行けなかったことなど現場を知る人間ならではの情報が載っていて興味深い。
犯人が連行されていくシーンを撮ったのはフジテレビだけで、なぜフジだけだったのか、理由もまた当時ならではのエピソードだ。写真も多く掲載されていてGood。
買いました。
★★★★☆
転勤が度重なってなくしたので購入。