沢木耕太郎は1947年東京都生まれ。20代前半に、若い自衛官たちの実像を描いた処女作『防人たちのブルース』で鮮烈なデビューを飾る。79年に『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、82年に『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、85年に『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞を受賞。ノンフィクションの旗手として多くの傑作を生み出し、また絶えずテーマやスタイルの先駆的実験を試みていることでも知られる。
「旅に出ると面白いことが向こうからやって来る」という沢木が、50代という年齢を迎えても旅を心底楽しみ、アクシデントすらおもしろがる姿勢が清々しい。本書ではとりわけ、アマゾンで乗ったセスナ機が墜落し、九死に一生を得た自身の体験をつづった「墜落記」は圧巻である。負傷してもなお、事実を冷静に時にシニカルに見つめる沢木の強靭でしなやかな精神。旅を愛する彼の珠玉の短編に身を浸すと、こちらまで心が浮き立ち、どこかへ出かけずにはいられなくなる。(田島 薫)
ボランティアでベトナムの植林に取り組んでいます。ボク自身はまだ行ったことがないのですが、行きたいという思いが強くなりました。そしてマジェスティックから夜景を見てみたいですね。
久しく旅に出てないよなあ。
どちらにせよ、深夜特急を読んで旅をしてからTRYする書物という位置付けです。
与那国、北方領土を望む根室で、著者は地元の人たちの本音をみごとにキャッチし、歴史と人々の生活の変化を描き出すことに成功している。
キャパのパリ、二度目の香港などでは自分の過去と対話、恐る恐る若かりし日々を想う。そしてマラガ再訪では過去にやり残したこと、未来へ挑戦する決意に勇気を感じた。
アマゾン、ベトナム。名前を聞いただけでわくわくするような土地を訪れるが、様々な困難に遭遇する。しかしそんな不安や、未知との遭遇すらも著者は軽やかに、まるごと楽しんでしまう。心の持ちよう次第で人生はいかようにもなることを教えてくれる。
「お腹が減ったらおにぎり一個で幸せになる。」と著者は㡊??う。旅は人が生きるのにそれほど多くのものはいらないことを教えてくれるという一行が忘れられない。
あれこれ考えずに彼の心の旅景色を楽しむのもよし、深く探ってみるもよし。
ちょっとした日常生活のスパイスになる気がします。