文献調査をして、ノートにとって、組み立てて・・・という文系論文の準備
から執筆までを、レトリカルな視点も大いに含めて解説した書。
著者は史学をやっておられるので必然的に歴史分野に関する記述が多いけれ
ども、文系であればどの分野でも一応の参考にはなるだろう。
今、研究カードを作る人はもうあまりいなくなり、PCにノートをとる時代に
なってしまったけれども、基礎を学ぶという点では良い。
但し、構造やレトリックという一番重要な部分の記述がややわかりにくい。
更に、この本は70年代のものであるせいか、世界情勢や人権的にみて非常に
微妙な文章・例文も多く、こんな事を言っていいのだろうかと、読んでいて結
構ハラハラした。