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大清帝国と中華の混迷 (興亡の世界史)

価格: ¥2,415
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
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「中華」についての洞察を得られました ★★★★☆
「中華」について考えるにあたって非常に勉強になった。

明の華夷思想に基づく中華、そして、満州人が支配してからの中華、そして、清末の欧米列強との戦いの中で生まれた中国までの変容を理解した。

現在の中国にかかわるイシューに対する見る目が変わった気がした。
清の歴史から東アジアの抱える問題が見える ★★★★☆
清国のダイナミックな興亡を描いた一冊。わずか一地方のリーダーであったヌルハチに始まり、ついに明国にとって代って大陸を統一して東アジアの大帝国となった清国。そして日本に敗れ、欧米諸国にむしばまれ、ついには一国民国家となっていく過程からは、学ぶことが多い。
 現在の中国の民族問題、チベット問題、朝鮮半島問題などが、その歴史的経緯によるものが多いことが了解される。これらの問題を考える上で、清を中心とした東アジアの歴史を学ぶことは必ずや有益であろう。
「東アジア」の近現代を考える上で、必読の書。 ★★★★★
岡田英弘・杉山正明の両氏に代表されるような、
一応は「中国史」に分類される領域を専門としながら、
むしろ塞外の遊牧民に注目する歴史家たちの活躍によって、
真の意味での「世界史」がモンゴル帝国に始まることや、
とくに元朝以降の中国史が、漢民族のみならず、
満洲・モンゴル・チベット・トルコ系ウイグルといった
周辺諸民族をも包み込むものに変質していったことについては、
ほぼコンセンサスが形成されつつあるように思う。

とはいえ、騎馬遊牧民がその軍事的優位を決定的に失う
近代以降の中国史については、彼らの筆がいささか生彩を欠くのも確かで、
たとえば岡田氏自身の『紫禁城の栄光』(共著)や石橋崇雄氏の『大清帝国』は、
申し合わせたように乾隆帝時代までで叙述を終えており、
清朝が内憂外患に苦しむことになる19世紀以降の「東アジア」史は、
暗示されるだけに留められている。
(逆に上田信氏の『海と帝国』は、まるで競合を避けるかのように、
 明清時代の東・南シナ海における海上交通の重要性を説くばかりで、
 内陸の遊牧民の歴史については、ほんの申し訳程度にしか触れられていない。)

本書によって描かれる「東アジア」の近代とは、
本来は騎馬遊牧民の系譜に連なる「内陸アジア」の帝国として、
緩やかな冊封体制のなかで「中華」の威信を保っていたはずの清朝が、
圧倒的な海軍力を背景に、対等な主権国家間の関係を要求する欧米列強、
そしていち早く近代化を達成した日本によって、
否応なしに世界大の角逐の場に引き擦り込まれていく過程であり、
この時生じた未曾有の規模の混乱は、もはや完全に修復されることはなく、
チベット問題ひとつを見るだけでも明らかなように、
現代の世界に対しても深甚な影響を及ぼし続けている。

「東アジア」が抱える諸問題の淵源を、きわめて明快に説いた本書は、
今後の日中関係を考える上でも必読の書だと思う。
東アジアという名の幻想 ★★★★★
極東の島国に住む我々が漠然と持っている「東アジア」という半ば漠然とした概念はどこで植えつけられたのだろうか。
絶対多数且つ中華文明の中心でもあった漢民族を圧倒し、中国史でも最大の版図を残しながら、壮絶な崩壊により消滅した清国を通じて現在の「中華民族」と近代の東アジアの成り立ち、現代の中国の苦悩を描き出そうという著者の意図はある程度成功していると思う。
また、わかりやすい文章で、読み物としても楽しめるので、ビジネスで中国にかかわっておられる方も現代中国の歪を身を持って感じているだけに興味深く読めると思う。また、学校の世界史では近代史は年度末にサラっとしかやらないし、一方で日本史では清国というと日清戦争ぐらいでしか出てこなかったと思うので、高校生なんかが読むんでも楽しめるのではなかろうか、と思う。