サスペンス映画としては一級品だが洗脳というテーマが描ききれていないのが残念
★★★★☆
サスペンス映画としては非常に面白く、最後までハラハラさせる展開は飽きさせないし、ジョナサン・デミの演出も久々に冴えていたと思う。
しかし洗脳というのは一歩間違えればただの催眠術のようにしか見えないので映画で描くのは難しいと思う。リアリティを持たせるために巨大バイオ企業の開発したマイクロチップという小道具の登場なのだろうが、いくら今の医学でもあんな小さいチップで精神構造まで影響を及ぼすというのは無理なのは皆わかっているだろうから、このチップを使ったことで逆に安いSF映画になってしまった。(チップの詳しい説明もない)
巨大企業の陰謀も、あんな遠回しに大統領を作るような手間をかけている理由がわからなかった。チップを量産して多くの洗脳者を作った方が早いと思う。人殺しも平気な割にはこの巨大企業の不気味さが今ひとつで企業の拝金主義の陰謀よりも、アメリカの将来を心配するようなことを言っていながら、実は自分と息子のことしか考えていない母親の陰謀の方が印象に残ってしまい、全体にスケール・ダウンしてしまった感がある。
メリル・ストリープの異常な怪演は凄すぎるが、あまりの強烈な印象で他の要素がかすんでしまった感もある。副大統領候補を演じるリーヴ・シュレイバーの甘ったれたような、切れ者のような、サイコにも人格者にも見える絶妙の表情が印象的だった。
あれ?
★★★☆☆
…ジョナサン・デミ…ボケた? 甥テッドが亡くなった後あたりから…面白くなくなった…よ?
映像美は変わってない。役者達への指揮力、色んな技術もご健在。けど…おもんないよ?? 年とって頭硬くなってやしないかい?
日本版の題名もアカンよ。全然アカン。さぶいよ。『クライシス・オブ・アメリカ』って…。無しやわ
あまりのダルさに目が点になった。一度頭を冷やしてくれ。ジョナサン・デミ。頼むから。
もう昔の映画のリメイクなんてやめてくれ。
何ならオフビートコメディに戻ってもいいから。
特典映像で見たけど顔から運気が落ちてるぞ。めっちゃ元気を出してくれ。
そんで賢い物でなくていいから、面白い作品を見せてくれ。
頼む。切実に。
メリル様怖いです
★★★★☆
オリジナル版の「影なき狙撃者」では共産主義が敵役だったが、今回は巨大企業と政治の癒着がポイント。つまり敵は外ではなく、自国の中にいる、という視点が主役で、これは特にものめずらしくはない。わが国でも最近、外部、もしくは内部の分かり易い敵に国民のアテンションを引きつけておいて、国内に渦巻く諸問題の本当の黒幕がばれるのを阻止しよう、という動きが真っ盛り。
この映画はそのメッセージを、洗脳とか、母子相姦もどきの危ない関係、などのドラマチックな要素をちりばめて娯楽にしたててある。そっちの方にだけ目がいくと危ない。実際、私はストリープの演技に目が釘付けになり、数日映像が目から離れず困った。楽しみつつ、クールな頭で見るとよいようだ。