まさか日本版が出るとは……
★★★★★
『イレイザーヘッド』と『初期短編集』は北米では数年前に発売されていた物だと思います。一般的な映画ファンに人気のある『ブルー・ベルベット』ならいざ知らず、コアなマニアしか喜ばないであろう作品ですので、日本版は出るまいと思ってさっさと北米版を買ってしまいました。
『イレイザーヘッド』は、本当に素晴らしい画質になっていて、もう何十回見たか判らない私でも初めて見た時の感動が蘇るようでした。以前、コムストックから出たニュープリントバージョンを遙かに凌駕するクオリティなので、買い直して損はありません。
『初期短編集』は、かなり昔、原宿で行われたイベントで上映された『アルファベット』と『グランドマザー』の二本に、リンチが最初に製作したフィルム作品他の収録した物です。
『グランドマザー』は『イレイザーヘッド』のプロトタイプとも言える作品で、原宿で見た時から欲しかったのですが、やっと念願が叶えられました。
どちらにもリンチ自身が語る詳細な解説が付いているのですが、私は恥ずかしながら英語が判りませんので、何を言っているのかチンプンカンプン。それを理解するためにも、買い直します。『イレイザーヘッド』の解説には、ファンには堪えられない、撮影風景の映像が収録されています。かなり画質は悪いんですが。
もちろん、まだ見たことのないインターネット公開の短編やアニメーションも楽しみなのですが、それ以前に気になるのは、北米版がちゃんと完全移植されるかどうかと言うことです。
なにせ北米版は、メニュー画面からしてリンチのデザインによるもので、『イレイザーヘッド』では、そこにカットされた場面が登場するのです。
それにモニターをリンチ・ブラックに合わせるための調節用画面も収録されてて、それがいかにもリンチらしくて、思わずニヤリとする作り。是非とも完全移植をお願いしますよ。
これが売れて、リンチのマイナー作品のDVD化を望みたいところです。特に『インダストリアル・シンフォニー』