一方英語のプロに必携かと言うとそうもいい切れない。翻訳家・英語実務者にとってはこれよりも「リーダーズ英和辞典」や「ランダムハウス英和大辞典」の方が実用的で重宝する場合が多い。収録語数ではこれらの方が多いし,一般語彙でもより広い語義(特に俗用)をカバーしているからである。「大英和」一冊で万能かというとそうでもない。
学習辞典でもなければ,実用辞典でもない。この辞典は一言で言えば「学術辞典」である。ある単語をきっかけに英語の歴史や語源などを掘り下げて読んでみたい,学んでみたいと思ったときに適㡊??たものである。原書を読むために引く大辞典と言うより,原書を糸口にして辞書の記述そのものを読んで語の理解を深めるための大辞典と言ったほうがいいかもしれない。
なおついでながら,以前の第5版に比べるとページ数が増えているのに重さは逆に軽くなり,手に持ちやすくなった。