帯に記されている『48万項目収録 最新・最大・最強の和英!』という言葉はダテではありませんでした。(ご報告申し上げます)
「ロン毛」「イタ飯」「イケメン」のような口語的、俗語的な語彙、はやり言葉、さまざまな分野の新語が載っているのに驚いた。第4版の良いところを引き継ぎ、新しい言葉を取り入れる研究社の姿勢に頭が下がる。68歳の私には上述のような言葉は、パッと聞いても、一瞬判らずあわててしまう。このようなときに私は和英辞典を引くのだが、今まで「イケメン」なんて言葉が載った和英辞典がなかったので、意味を息子や娘にソーッと聞いたものだ。
私は新米通訳の端くれですが、通訳・翻訳の仕事をしている人にとって、これは文字通り、日本で最高の和英辞典である。
日本の事物の英訳を充実している。「なまはげ」もでているし(『グランドコンサイス和英』にでていた)、「新古今和歌集」(『グランドコンサイス和英』にでていない)の訳語もでている。
日本語用例の充実を謳っている点は、確かに充実しているし、多義語の意味の分析も細分化されてすばらしいと思う。ただ、たとえば「きれ」の項目には「切れのある味」という!義はでていないし、「イメージ」のところには、「今回のプロジェクトをイメージで表すと」というような場合の「イメージ」の用法がでていない。いずれも日常的に使用する用法だと思う。
ともあれ、これだけの和英辞典が出たことは慶賀に堪えない。願わくば5年、10年ごとに改訂が継続されんことを。
(辞書のはなしになると必ずCD版のはなしになるが、最新版の『新英和』がまだCDになっていないことを考えると、当分は期待できないのだろう・・・残念なことだ)