元シュラプネル系のフュージョン・ギタリスト、グレッグ・ハウを 中心に、ベースのヴィクター・ウッテン＆ドラムスのデニス・チェンバースが参集したスペシャ ル・プロジェクトによる作品。この顔ぶれを見て、2001年に発売された櫻井哲夫の『ジェントル・ハーツ』を思い出す人もいるだろう。あのアルバムの櫻井がヴィクターに代わると本作のメンバーになるからだ。それはともかく、テクニシャ ンぞろいのバンドとあって各人のソロは強力。泣かせどころも心得ていて、この種のヘヴィ・フ ュージョン好きにはこたえられない作品だろう。ハウはギターのほか、ギター・シンセとキーボ ードも担当。また一部の曲にはアディショナル・キーボード奏者としてデイヴ・クックが参加し ている。

   超絶技巧を繰り広げるだけでなく、ちゃんと3人が音楽的な会話を交わしているところがいい。ファンキー＆グルーヴィーな演奏が中心。アラン・ホールズワースが参加して いたトニー・ウィリアムス＆ニュー・ライフタイムのレパートリー「プロト・コスモス」を取り 上げているのも興味深い。（市川正二）