現代世界の十大小説 (impala e-books)
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今は小説の時代だ。ぼくたちが生きているこの世界を、文学はどう説明し、どう表現するのか−−−
モームの名エッセイ『世界の十大小説』から半世紀以上を経た今、現代世界をよりよく理解するために池澤夏樹が選んだ十大小説。ガルシア=マルケスから石牟礼道子まで、その魅力や仕掛け、作者の意図するものを読み解く先に、世界の今が暴かれる。
【目次】
第1部 「民話」という手法
第1章 マジックなリアリズム――ガルシア=マルケス『百年の孤独』
第2章 「真実」だけの記録――アゴタ・クリストフ『悪童日記』
第2部 「枠」から作り直す
第3章 恋と異文化――ミルチャ・エリアーデ『マイトレイ』
第4章 名作を裏返す――ジーン・リース『サルガッソーの広い海』
第5章 野蛮の復権――ミシェル・トゥルニエ『フライデーあるいは太平洋の冥界』
第3部 「アメリカ」を相対化する
第6章 国境の南――カルロス・フエンテス『老いぼれグリンゴ』
第7章 アフリカに重なるアメリカ――ジョン・アップダイク『クーデタ』
第8章 正しい生きかたを探す若者――メアリー・マッカーシー『アメリカの鳥』
第4部 「体験」を産み直す
第9章 消しえない戦争の記憶――バオ・ニン『戦争の悲しみ』
第10章 闇と光の海――石牟礼道子『苦海浄土』
【著者】
池澤夏樹
1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。以後多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。1987年『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『キップをなくして』『カデナ』『アトミック・ボックス』など。自然と人間の関係について明晰な思索を重ね、数々の作品を生む。2014年末より「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」全30巻の刊行を開始。 http://www.impala.jp