小説の羅針盤 (impala e-books)
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この15人はみなぼくが好きな文学者たちであり、尊敬する人々であり、影響を受けた人たちだ。
上田秋成、森鴎外からピンチョン、カーヴァー、山田詠美まで、稀代の読み手でもある池澤夏樹が好きな作家や詩人、思想家を自分のまわりに並べて、それぞれの作家の本質を鮮やかに突く。もっともっと本が読みたくなる、軽やかな作家論。
【目次】
上田秋成 雨月と春雨の間
セーレン・キルケゴール 神を前にして絶望は罪である
森鴎外 文学の設計者
内田百聞 生活と悪夢の人
日夏耿之介 詩人としての日夏耿之介
アーネスト・ヘミングウェイ あまりにも二十世紀的
中島敦 知性と南瓜 二つの仮定
ロレンス・ダレル 都市と恋情
吉田健一 小説からの逸脱
中村真一郎 一つの精神の数々の側面
ジャック・ケルアック 新の詩人はいつでも早すぎる
日野啓三 ただ美しい逸脱の物語 宇宙のゆらぎを受信するアンテナ 境界の上に立つ人たち
トマス・ピンチョン 『V.』の航時性について
レイモンド・カーヴァー Kマートのリアリズム?
山田詠美 倫理と人工言語
【著者】
池澤夏樹
1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。以後多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。1987年『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『キップをなくして』『カデナ』『アトミック・ボックス』など。自然と人間の関係について明晰な思索を重ね、数々の作品を生む。2014年末より「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」全30巻の刊行を開始。 http://www.impala.jp