惑星大怪獣ネガドン [DVD]
価格: ¥1,777
粟津順監督が2年の歳月を費やして完成させた、SF-CGアニメーション。作品中に実写映像は一切使われていない。 昭和100年。人口対策のために火星を地球化する計画が進行する中、突如として宇宙怪獣ネガドンが日本に襲来。ロボット工学の権威・楢崎は自ら開発した巨大ロボット・ミロク二号機で、単身ネガドンに立ち向かう。
上映時間25分の短編ながらワンカットあたりの情報量は濃密。その映像的成果は驚嘆に値する。ただし最大の見せ場であるネガドンの首都襲撃と対する自衛隊の迎撃、あるいはミロク二号機などの発進シークエンス等、往年の特撮映画のビジュアルを今日の技術で再現したあたりには、今ひとつひっかかるものを感じてならない。創作者が目指したのは、「再現」なのだろうか?あまりに膨大な特撮映画へのオマージュから粟津監督の趣味性は理解出来るが、「作品」の表現手段として未消化なきらいは否めない。近い将来、「再現」の域を超えた、粟津監督オリジナルの映像作品と出会うことを期待したい。(斉藤守彦)