まずは自分をからかっているのだと思う。
なのに彼女は怒って
「やっぱり信じてない」
とか言い出す。
目の前にあるのは、まごうとこなきナメクジなのに、
彼女の表情はマジ。
信じろと言われても、これはちょっと。
…だってナメクジでしょ、そりゃないぜベイベー!
しかし、そのナメクジ型宇宙人が
本物だったりするから、始末におえない。
彼女の方にしてみれば、彼ならば分かってくれると
思って話したのに、ハナから信じようともしないのだから、
「やっぱりあなたもそういう人だったのね。
いいよもう、一人で解決するから帰ってよ!」
…ってなことになる。
自分に理解できない事を、いきなり目の前にポンと置かれて
一体どこまで信じるか。
つまり、どこまで妥協するか。
常識と感情のせめぎあい。
そこがなんどもいえず、面白い。
この本の中で起こっていることは、突拍子もないことだけど
あくまで人間は現実的だ。
この場合の現実的、というのは
冷静とかノリが悪いという意味ではなく
隣に住んでいても、なんら不思議ではない、という意味である。
題材は、現実ばなれしたものなのに
「こんなヤツいないって!」
「できすぎだってば」
などと思わせない、
それがこの本の醍醐味だ!
と勝手に決め付けている。