NHKテレビ・ラジオで中国語講座を担当するなど、長年に渡り中国語教育に携わってきた著者が中国語の学び方を解説した書。日本人は「漢字」が理解できるため、なかなか音声としての中国語がマスターできない。著者は中国語の発音の重要性を説き、中国語の発音練習を熱心に行い、中国語をたくさん聞くことをアドバイスする。また外国語をマスターするには、ある程度お金をかける必要があると指摘。授業料を払ったり、教材を買って投資すれば、その分を取り返そうと一生懸命勉強するからだ。こうした中国語を学ぶ具体的な方法やヒントの数々は非常に参考になる。しかし最も印象に残るのは日中のコミュニケーション・ギャップに触れた最終章だ。「人に迷惑をかけてはいけない」という日本人と「お互いに迷惑をかけあうのは信頼関係の現れ」と考える中国人。この相容れぬ発想の違いは、中国語以上に日本人が中国人とつきあっていく上で難問となりそうだ。(原 智子)
中国語で身を立てたい人に
★★★★★
中国語の知識はゼロでもスラスラ読める軽いエッセイ集。
留学できなくても、如何にして日常の中に中国語を学ぶ
環境を作り出すか、というのが本書の主な内容。
色々なアイデア学習が紹介されているが、一つ一つは、
簡単なものばかり。
初級学習者でも今日から真似できる。中国語に限らず
他の語学でも応用できる学習法も多い。
他の語学では真似できないのは、墓地で墓石に書かれた
漢字を中国語で読んでみる。これぐらいだろうか。
読んでいくと気付くが、著者はこの簡単なアイデア学習の
全てを恐らく40年間は続けている。
プロになる、語学で身を立てる、って大変だな。
私は無理だな、と思った。
本書には書かれてないが、著者は、誰かのお葬式でも
戒名などを中国語で読むのに夢中なのだろう。
もし、読めない漢字でもあろうものなら、帰りの電車で
ポケットから電子辞書を取り出し、読めなかった漢字の
中国語読みを調べているに違いない。
しかし、このぐらいやらないと飯は食えないのかも知れない。
やっぱりいい本ですね。励まされます。
★★★★★
読むたびに、いつもヒントをもらってます。
「1話」の音を聞いてわかるようにする、は倉石先生以来の言語本質=音、説
を受けついている命題ですね。
2話では、同じ本を2,3冊買って、必要な個所を破いて持ち歩く、とか中国
語の新聞を読みなさいなど、大事な指摘があります。
5話では、スイランーーダンシーなど、定型文を覚える大切さを説いています。
4話では、中国人と日本人の考え方、生活態度の違いから、日本語と中国語の
違いを説明しています。ここは、実際に中国語を読んだり、書いたりする上で、
実際に役立つとともに、相原先生の深い学識が明確に表れているところです。
読み易いです
★★★☆☆
著者の相原先生の文章は、読み易いです。
私は、1年くらい前から中国語の勉強を始めました。
この本には、中国語を学び始める人に、役に立つヒントがいくつか載っています。
一番役たちそうなアドバイスは、「中国語の学習に、思い切りお金をかける」でした。
確かに、お金をかけたことは、無駄にしたくないので、しっかり勉強しますね。
谷沢栄一も「人間通」の中で同じようなことを言っているようです。
出版元の東方書店は、信頼できる中国関連の出版社です。
いまいち
★★★☆☆
お茶の水女子大学教授、NHKテレビにも出演していた相原先生の本です。先生のまじめさは本からよくわかりましたが、初心者が読んであまり学習効果のない本でした。やる気にはさせてくれますが、中国語上達の道は険しいですね。
異文化コミュニケーションが秀作
★★★☆☆
内容はどこかの講演内容をそのまま文章にしたものである。ちょっと作者の他の本の宣伝があったりで途中まではあまりのれなかった。しかし最終章だけは絶品。日本人と中国人の友達に対する考え方など、是非一度目を通してみると面白いと思う。