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振り返れば奴がいる DVD-BOX

価格: ¥23,940
カテゴリ: DVD
ブランド: ポニーキャニオン
Amazon.co.jpで確認
買って損はないかと。 ★★★★★
ドラマを見ないので、私がこの作品を見たのは
TVの最終話の1話前。織田裕二ファンだった母が
見ていたのでなんとなく横に座り、見ていたのですが
面白さに驚きました。

不満点を挙げるなら、人によると思いますが
NG集結構好きなんですが、ないですね。
三谷さんのエッセイで、脚本が間に合いそうもないので
1回NG集で埋めてくれないかと思っていると、
現場ではほとんどNGなしで撮影は順調に進んでいるので
それもできない、と書いてらしたので、もともとないのかもしれません。

内容は他の方々がレビューなさっているので、
そのすごさにはあえて触れませんが、どうしても気になったのが、
「司馬が正しい」「石川えせヒューマニスト」という意見が多いことです。

そういう方々は、脳死状態になって意識が戻る可能性がほとんど
ゼロになった大切な人を、お持ちですか?

私はこのドラマを見るきっかけだった母を失いました。
意識は戻らないまま、医師の宣告どおり3日後になくなりました。
ですが、家族も、そして私も生命維持装置をはずすことなど
一瞬も考えませんでした。
脳死状態でも、体は温かいんです。呼吸で胸がかすかに
上下しているんです。生きているんです。
たとえ残される人間のワガママだとしても、
大切な人間の命を止めることができる人はそんなに多いでしょうか?

医師に宣告されたあと、婦長さんはこういってくれました。

「私は、もうダメだといわれて、生き返った人を
何十人も見てきているのよ、絶対にあきらめたりしないで」と。

結果は宣告どおりでしたが、私は婦長さんに感謝しています。
そして、だからこそ「司馬が正しい」と言い切ることのできる人の
レビューを信じられない思いで読むのです。

「ドラマの中の人物としての存在感の大きさ」「ミステリアスなかっこよさ」で
司馬を正しいといっているような気がしてならないからです。
確かに司馬はかっこいいですが、イコール「正しい」と軽々しく言い切るのは
大切な人の死を経験してから言ってほしいのです。

「石川なんかに診てほしくない」とも言われていますが、
私なら石川先生に希望をつなぎます。
死んでしまったらおしまいなんです。

そしてドラマの中でも、「尊厳死が正しい」とは
言っていないと思うのです。
石川の容態が急変し、司馬が駆けつけたときは
呼吸停止になっており、万が一蘇生したとしても、
意識が戻る可能性はほとんどないはずです。

ですが、司馬は何のためらいもなく蘇生準備の用意を命じ、
必死に心臓マッサージを続け、「戻って来い!」と叫ぶのです。
「生きる可能性のない人間は死なせてやったほうがいい」と
言っていた人が、です。

これは私の想像ですが、司馬は「石川のような医者になりたかった」
のではないかと思うのです。
回想シーンで出てくる司馬の若い頃の目は、「今」の司馬とは全く違います。
人の命を救うことに喜びを感じている、生き生きとした目です。
ですが、恩師の裏切りで「医者はきれいな生き物ではないんだ」
「尊敬している恩師は、人の命を奪ってしまったことより
自分の保身を考える医者なのだ」と「医者」というものに対して
絶望してしまったのではないかと思います。

その絶望を味わっていない石川を見るたびに、昔の
自分を重ね合わせかすかな羨望、そしてそれを上回る
持っていきようのない苛立ちを感じているように見えます。
数々の悪行も、どこかわざと石川に見せ付けることで、
「医者はそんなきれいな生き物じゃないんだ」と教えているような。

まあ尊厳死云々の話より、演技としてはどちらもすばらしいものです。
「大走査線」以後のファンなどにぜひ観てもらいたい一品です。
石川の病をどうにか救えないかと隠れるようにして
医学書を探し、なにも得られない本を
めちゃくちゃに床に叩きつける司馬や、
司馬に命の大切さをわかって欲しいと思っていたであろう石川が
その目的を忘れ果て、ただただ司馬を追い出すことしか
考えなくなったときの暗い淵のような目の色、
どちらも甲乙つけがたいです。

しかし、どこか穏やかで印象的だった石川の死に顔が、
「実は寝ていた」ので、石黒賢が実際そのシーンを見て
「うわ、オレ本当に死んでるみたい」という話は
聞かなかったほうがよかったのか、非常に悩むところではあります。

場面のカットが謎だし、理解に苦しみます ★★★☆☆
まず、このドラマの内容については、
他のレビューの方と同じくとても良いので星5つです。
ですが、このDVD-BOXの商品としてのレビューを、
これから購入する人に向けて一つ書かせてください。

まずこのDVD-BOXは、TVの本放送の時と比べて、
いくつもカットされてる場面があります。
とくに著作権でどうこうという事もないような、
なんてことのない場面をカットしてるので非常に謎です。
例えば、司馬と平賀が病院のカフェみたいなとこで話し合うシーン、
丸々カットです。こういうのが、いずれの、
平賀が司馬を階段から突き落とすことに繋がる伏線の一つのシーンなので、
カットするのは謎です。
他にも星野が司馬の聴いてる音楽を二度止めて、
二度目に司馬が星野の首根っこつかんでキレる場面も、一度目でキレてます。
二度止めるからあのキレ方になるわけで、一度目では不自然です。

以上、ちょこちょこと場面のカットがあることをレビューしておきます。
TVの再放送で時間調整の為にカットするのは納得できますが、
2万近いお金を出して購入するDVD-BOXでこれをやってくる理由は理解できません。
他にも、特典映像とかは一切収録されていませんので、そっちも参考にしてください。
織田裕二の神演技 ★★★★★
織田裕二のドラマといえば、東京ラブストーリーや踊る大捜査線、
お金がないなどを想起する人が多いと思う。
もちろん、それらは素晴らしいドラマであることは間違いない。

しかしながら「衝撃」という点では、この振り返れば奴がいるには及ばない。
自分がこのドラマを見たのは、小学生のとき。
みんなで司馬先生のセリフを真似して遊んでいたことを想い出す。

「昔のほうがドラマは面白かった」とはよくいわれるが、
確かにいまの20代の俳優で司馬先生を演じられる役者はいないだろう。
織田裕二の鋭い眼光、間の取り方、立ち回り、何をとっても完璧である。

脇を固める俳優陣も見事である。
石黒賢演じる石川先生の病状が悪化するにつれ、顔色が悪くなり、
司馬先生糾弾への執念が生まれたときの表情や、
ちゃらんぽらんの中川院長を演じる鹿賀丈史の表の表情と裏の表情の使い分け……
すべての役者が自らの役を完璧に演じている。

ところで同時期の織田裕二の映画に「卒業旅行〜ニホンから来ました〜」がある。
同時期に正反対の演技を使い分けられる織田裕二は、天才俳優である。
その「天才俳優」が自ら最高のドラマと言及するこの作品を見ない手はない。
織田裕二の最高傑作 ★★★★★
織田裕二の主演ドラマの中で最高の作品だと思う。

尊厳死をテーマにしたドラマ。

延命を望む患者家族の意思を優先するべきなのか、
死を望む患者の意思を優先するべきなのか…。

司馬と石川の対立の間で、
「命」について考えさせられる深い作品。
織田裕二さんの出世作! ★★★★★
1993年にフジテレビ系列で放送された作品です。織田裕二さんというと『踊る〜』のイメージが強烈なのですが、彼の出演作では間違いなくベストだと思っています。脚本はいまをトキメク三谷幸喜さん。

はじめは織田さん演じる「不良医師」と石黒謙さん演じる「正義漢&爽やか系医師」の対立構造といういわば勧善懲悪スタイルでストーリーは展開しますが、石黒賢さん演じる石川が病にかかる頃から何となく互いの印象が変化し、物語が急展開します。織田さん演じる司馬は実は言われるほど悪人ではないのでは? いややっぱり悪徳? そんな思いが彼の幼少期での描写や鹿賀丈史さん演じる医局長、そしていまや引退した千堂あきほさん演じる昔の恋人などの言動・回顧シーンから巻き起こってきます。一方、病に冒された石川は「打倒、司馬」のみが生き甲斐のようになってしまい、次第に自分を見失っていきます。病の進行も手伝って爽やかさなどとは縁遠い陰湿な人相に。そして感動のラストと、土壇場になっての衝撃の暗転…。「序破急」ではありませんが、展開のどれをとっても無駄打ちがない素晴らしいドラマです。いまやすっかり貫禄がついた松下由樹さんの若かりし姿も注目です。

さてテレビの連続ドラマの脚本が初体験だったという三谷幸喜さんは、実は現場で何回も脚本の書き直しを命じられて、ほとほと嫌になったそうです。彼のオリジナルはどんな内容だったかは今となっては知るよしもありませんが、この作品に限っては現場監督の判断が正しかったのだと思います。あの衝撃のラストシーンもオリジナルには予定されておらず、急きょ追加されたとか。もう出番がないものと思っていた西村雅彦さんは急に呼び出されあのシーンが誕生したそうです。もちろん不可能なことはわかっていますが、許されることならオリジナル脚本による別テイクを見たい気もします。たぶん、そんなに面白くないと思います(笑)